歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



甦った日本最古の芝居小屋

その後、廃館し復元運動により現在の場所に移築・復元されました。昭和60年からは「四国こんぴら歌舞伎大芝居」が開催され、四国路の春を告げる風物詩となっています。

公演ともなると、多くの歌舞伎ファンが集まり賑わう
公演ともなると、多くの歌舞伎ファンが集まり賑わう
奈落にある廻り舞台の装置
奈落にある廻り舞台の装置
天井

花道には、穴からせり上がるすっぽんがあり、その上には役者が宙乗りするためのかけすじの装置。直径4間の廻り舞台には、奈落と舞台をつなぐセリ。これらの操作は、すべて人力で行われており、舞台を操る裏方の技が、地元の人たちの協力のもと、今も継承されています。

天井
天井
天井

見上げると約500本の竹を格子状に編んで作られたブドウ棚。さまざまな細部に人の繊細な技巧が施された小屋には、他では得難い独特の温かさを感じとることができます。平成の大改修で、大梁を支えていた4本の支柱が除去され、江戸時代の本来の姿にさらに戻った旧金毘羅大芝居。新たな技が、古きよき時代の情緒を今に甦らせたのです。