インタビュー・文/富樫佳織、写真/伊藤康弘、構成/栄木恵子(編集部)

 歌舞伎が誕生した江戸時代は平和な世を武士や庶民が謳歌する中から「粋」や「洒落」と表現されるデザインを無数に生み出しました。
 そうした江戸生まれの職人の手技の名残は、現代の歌舞伎の舞台にも生きています。400年という歳月。人から人へと継承された技。『江戸職人(クラフト)手帖』は江戸のデザインを通して、日本人が愛でてきた美に迫る新連載です。

 第一回目は、極小の美と呼ばれる「江戸小紋」の世界を探訪します。遠目からは色無地にしか見えない着物に息づく、きりりと引き締まった文様。
 それは人間国宝(重要無形文化財保持者)の小宮康 孝さんが「厳しさ」と表現する美の極みです。


江戸職人手帖

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