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橋之助、『御宿かわせみ』初日を語る

 『御宿かわせみ』左より、高島礼子、中村橋之助

 5月3日(火)、明治座で中村橋之助が出演する『御宿かわせみ』が初日を迎えました。

 橋之助が演じる神林東吾は、南町奉行所の与力を務める由緒ある武家の次男坊。高島礼子演じる旅籠「かわせみ」の女主人で、相思相愛の幼馴染みの庄司るいとともに、ささやかに生きる人たちの間に起こる事件解決に力を貸しています。橋之助と高島は、2003(平成15)年から2年半にわたり放送されたNHK金曜時代劇の『御宿かわせみ』でも同役を演じた仲ですが、今回はドラマ放送終了から11年を経て、初の舞台共演となりました。

 

 初日を終えた橋之助は、「お客様がとても温かくて、素晴らしくて。それに背中を押していただいて、楽しく初日を終えることができました。そして久しぶりに高島さんと“東吾とるい”をさせていただけたことがまた、とてもうれしかったです」と述べました。

 

 

 本作は、平岩弓枝の人気シリーズの中から特に人気の5作品をもとにG2が脚本を書下ろした作品で、5つの事件が同時に進んでいきます。「『御宿かわせみ』の舞台化で、平岩先生以外の方が脚本を手がけるのは初めてだそうですが、G2さんの脚本は、5つのエピソードがテンポよく進み、とても面白いんです」と橋之助。舞台転換もスピーディーですが、「その分、僕らは走り回って大変です」と、言いながらも満足そうな笑顔は変わりません。

 

 盛り込まれるエピソードは、大金が未払いのまま分散(倒産のこと)した大店の謎。「かわせみ」に置き去りにされた少年。東吾が偶然、助けたきれいな身なりの少女の素性…、などですが、分散した大店のせいで窮地に陥る兄妹の兄として登場するのが、橋之助の二男、中村宗生です。

 

 今回、歌舞伎以外の舞台に初出演する息子について橋之助は、「父親としてはお目まだるくて申し訳ないという気持ちでおりますが、演出も担当されるG2さんに十分ご指導いただき、また共演の高橋(和也)さんや(柳下)大くんにいろいろ教わって充実した時間を過ごしているようです。皆さんもそうだと思いますが、親子でものを教えるのは難しい。なので、僕はなるべく口を出さないようにしています」と、語りました。

 

 橋之助自身は、八代目中村芝翫襲名前に歌舞伎以外の舞台に出演するのはこれが最後となる予定。「(橋之助を襲名してからの)36年の間に、歌舞伎以外のフィールドでもたくさん勉強させていただいてきましたので、橋之助としてはこれが最後かと思うと寂しい気持ちもあります。が、役者という生を受けたからには、今後もさまざまな芝居に挑戦させていただきたいですし、自分がそうだったように、息子たちにも広くやっていってほしいと思っています」。

 

 そして、「願わくば、この『御宿かわせみ』をこのメンバーで何度もさせていただけるようになれば」と結びました。公演は5月27日(金)まで。チケットは明治座にて販売中です。

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 また、初日終演後には、橋之助、高島、そして共演の西村雅彦、紺野美沙子、高橋和也、柳下大、朝海ひかるが「熊本地震」への義援金を呼びかけました。明治座では4月に引き続き、劇場内に募金箱が設置されます。

2016/05/04