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橋之助が舞台『オイディプスREXXX』出演
12月12日(水)~24日(月・祝)、KAAT神奈川芸術劇場で上演される舞台『オイディプスREXXX(レックス)』に、中村橋之助が出演します。
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ソポクレスのギリシャ悲劇「オイディプス王」を河合祥一郎が新たに翻訳した戯曲で、杉原邦生が演出する『オイディプスREXXX』。初めてストレートプレイに挑むことになった橋之助に、話を聞きました。
――オイディプス王をと言われたとき、どう感じましたか。
実はお話をうかがったとき、最初は父(芝翫)へのオファーかと思ったのです。「オイディプス王」の話は知っていましたし、舞台を拝見したことはありませんが、キャリアのある方がなさっているイメージがありましたから。なので、僕にお話をいただいたのだとわかったときは、まさかと…。そして驚きのあとに、今度はうれしさがこみあげてきました。ストレートプレイはぜひさせていただきたいと思っていたんです。
――原作については、どのようなイメージをもっていますか。
大学の授業でかじったことがあるという程度でした。お話をいただいてから、河合先生が翻訳された戯曲を読みましたが、僕の勉強不足もあるのでしょう、何回も読み返さないと意味を飲み込めないところがありました。大まかにはわかるのです。ただ、言葉の一つひとつに込められたものを理解するためには、たくさん勉強が必要なのではないでしょうか。そこはもしかしたら歌舞伎と似ているのかな、と感じました。
しかしながら、悲劇のありようとしては歌舞伎にはなかなかないものかなとも感じます。たとえば、8月に出演させていただいた『盟三五大切』も、「知らなかった」ことが大きな悲劇を招きますが、三五郎たちの悲劇は、注意深さがあれば防げたのではとも思うのです。けれど、オイディプスの悲劇は防ぎようがない。運命というか宿命というか。どうにもならない何かに飲み込まれていくような悲劇なのかなと思いました。
――お稽古開始までにどのような準備をされますか。
今回は、あえて真っ白な状態で臨みたいと思っています。歌舞伎ですと、お稽古期間が短いこともあり、事前に個別に教えていただいたり、資料を当たったりと、一人でできる限りのことをしておきますが、そういったことはせずにおこうかと。これまでになさった方の映像も見ないつもりです。どうしたって強い影響を受けてしまいますから。今回はこれまでの「オイディプス王」とはまったく違ったものをつくりたいと、演出の杉原さんもおっしゃっているので、稽古場で学ぶことに集中したいと思っています。
――演出の杉原邦生さんについては、どのような印象ですか。
ご一緒したのは8月の『東海道中膝栗毛』が初めてでしたが、一昨年の夏、木ノ下歌舞伎の『勧進帳』を拝見したのです。それはもう、言葉にできないくらいの衝撃を受けました。わかりやすかったし、楽しさを感じさせる演出もありましたが、最も衝撃を受けたのは最後の場面です。富樫が一人ラジオを聞いているのですが、富樫の強い人でありながら弱い人間でもあるということが、ストレートに伝わって来ました。
『勧進帳』はせりふをすべてそらんじられるくらい好きな芝居です。なのに最後の場面は、それまで気にも留めていなかった部分でした。そこに衝撃を受けたこと自体がある意味、とてもショックで…。襲名目前ということも影響したのかもしれません。このままではいけないと危機感を感じたくらいでした。
――今回は、イオカステ役の南果歩さん、クレオン役の宮崎吐夢さんと橋之助さんの3人が、コロス以外の役すべてを演じます。複数の役を演じることについては。
そもそも、古代ギリシャ悲劇はそういうスタイルで上演されていたのだそうです。歌舞伎で複数の役を演じたことはあります。とはいえ、歌舞伎の場合は場面が異なることが多いし、化粧や衣裳が替わります。その助けはとても大きい。今回は杉原さんの演出ですから、そういった助けはないと考えたほうがよさそうです。瞬時に違う人物になる、ということもあるかもしれません。そういった部分も歌舞伎ではできない挑戦になるのかなと思います。
――では最後に、『オイディプスREXXX』出演で何を得たいと思っていますか。
ストレートプレイの経験をたくさんしていらっしゃる先輩方には、僕にはまったくない引き出しがおありになると感じることが多いのです。そういったものを得られたらと思っています。一方で、公演が終わった後、歌舞伎の頭に戻すのに、少し時間がかかるかもという心配が少しあります。熱中性質なんです。でも、こんなうれしい機会をいただけたのですから、切り替えに苦労するくらい熱中して来ようと思っています。
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KAAT神奈川芸術劇場プロデュース
『オイディプスREXXX』
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出演:中村橋之助 南 果歩 宮崎吐夢
大久保祥太郎 山口航太 箱田暁史 新名基浩 山森大輔 立和名真大
作:ソポクレス
翻訳:河合祥一郎(『オイディプス王』光文社古典新訳文庫)
演出:杉原邦生(KUNIO)
■日時
2018年12月12日(水)~24日(月・祝)
14:00開演
※12日(水)、14日(金)、18日(火)、21日(金)は19:00開演。24日(月・祝)14:00/19:00開演
※19日(水)休演
■場所
KAAT神奈川芸術劇場 大ホール
神奈川県横浜市中区山下町281 電話:045-633-6500(10:00~19:00)
■チケット
全席指定:6,500円
U24チケット(24歳以下):3,250円 高校生以下割引:1,000円 シルバー割引(満65歳以上):6,000円
※料金はすべて税込。U24チケットと割引チケットは、チケットかながわで前売りのみの枚数限定販売。
2018年9月16日(日)10:00発売
チケットかながわ 0570-015-415(10:00~18:00)
・KAAT神奈川芸術劇場2階 劇場窓口(平日10:00~18:00)
チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード:488-447)
ローソンチケット 0570-084-003(Lコード:32654)
カンフェティ 0120-240-540(オペレーター対応、平日10:00~18:00)
■お問い合わせ
チケットかながわ 0570-015-415(10:00~18:00)