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仁左衛門、孝太郎、千之助、南座「吉例顔見世興行」12月公演へ向けて

仁左衛門、孝太郎、千之助、南座「吉例顔見世興行」12月公演へ向けて

 

 

 12月1日(土)から始まる南座「吉例顔見世興行」夜の部で、『義経千本桜』に親子孫三代でそろって出演する片岡仁左衛門、片岡孝太郎、片岡千之助が、公演に向けての思いを語りました。

 12月の顔見世興行では南座に、当代松嶋屋が三代そろい踏みします。仁左衛門は「(顔見世興行に)11月から続けて2カ月出させていただき、さらに12月はこの三人がそろう」と、喜びに顔をほころばせ、孝太郎も「この節目のときに、『義経千本桜』の大きなお役で…」と、うれしさを表しました。「南座は特別な場所、新たに気を引き締めたい。何もかも吸収したい」と、心境を述べたのは、初めての南座出演となる千之助です。

 

芝居はストーリーを伝えてこそ

 昼の部の『ぢいさんばあさん』では、美濃部伊織を仁左衛門が、妻のるんを時蔵が演じます。この作品で時蔵と夫婦役を演じるのは3回目。演出について仁左衛門は、まだ今は特に新しいプランはないとしながらも、「稽古をやっている間に変わっていくんです」と、公演が楽しみになるひと言を加えました。

 

 夜の部の『義経千本桜』「すし屋」は、舞台にかかることが多い演目ですが、仁左衛門がこの演目でいがみの権太を勤めるときは、多くの場合、前に「木の実」と「小金吾討死」の場を付けて上演されます。「『すし屋』だけでは、権太の悲劇というのはあまり伝えられない。これに限らず『河内山』は『質見世』、『毛谷村』ですと『墓所』を付ける。歌舞伎はお客様に理解していただかないと意味がないので、できる限り、前の場を付けます」と、常に観客の視点による演目立てを工夫しています。

 

 孝太郎が「あまり出ることがなかったので楽しみ」という「木の実」では、仁左衛門のいがみの権太、孝太郎の若葉の内侍、千之助の主馬小金吾が登場し、千之助が子役ではない役として、祖父、父とがっぷり組んで芝居を見せます。そして夜の部の切は、千之助と鷹之資の二人による『三社祭』。いつか二人一緒に踊らせてほしいと、「亡くなられた天王寺屋のお兄さん(五世富十郎)が、口癖のようにおっしゃっていた」という思い出が、仁左衛門から明かされました。

 

あえて無理な荷物を背負わせる

 千之助が勤める『義経千本桜』の主馬小金吾について仁左衛門は、「(本人の実力に)相応の荷物ばかり背負わせては、なかなか身につかない」との考えから、千之助の成長につながる、大きな課題をあえて与えたといいます。千之助の稽古に立ち会ったという孝太郎は「思ったよりいい部分も、まだまだな部分も。これから彼が自分の中でどう消化して身に付けていくか」と、期待を寄せました。

 

 二人の言葉を受け止めた千之助は、自分の限界を超えた挑戦を続けていけるように「今回のような経験を重ねたい」という意気込みで応じました。「小金吾は前髪がある若いお役ですが、立廻りでは大勢の敵を一人で相手するということを踏まえ、強く、健気で真摯な役として演じたい」。力強く述べる千之助に、仁左衛門が、「力だけでなく、命懸けでご主人を守る、という強い一心で」と、言葉を添えました。

 

誰からも必要とされる役者に

 千之助から、「先週、稽古で京都に来たときに、祖父がマフラーを貸してくれた」という温かいエピソードが飛び出す場面も。さらに、「小さいときに、祖父の舞台、父の舞台を見て、ああ格好いいなと。常に憧れの延長線上にいます」と、熱っぽく語り、立役は祖父に、女方は父にと、それぞれ学べる相手がいることは「本当に恵まれている」と、感謝の気持ちをにじませました。

 

 これまでに祖父と父から、「歌舞伎俳優になれ」とは一度もいわれたことがない、という千之助。ただ、舞台は見るように、というアドバイスは受けていたといいます。孝太郎は、「ただ見るだけではなく、意識をもって、自分がやりたい役を見つけながら見るように」伝えてきたと振り返りました。「とにかく、お客様が必要とする役者、役者が必要とする役者になってほしい」という仁左衛門の思いが、子から孫へとつながっていきます。

 南座が新開場を迎えた、記念すべき年の締めくくりとなる「吉例顔見世興行」。この機会に、ぜひご来場ください。

 

 「南座発祥四百年 南座新開場記念 白井松次郎 大谷竹次郎 追善 京の年中行事 當る亥歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」は、12月1日(土)から26日(水)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹で、発売中です。

2018年11月14日

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