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「オフシアター歌舞伎」新宿FACEで初日開幕
5月22日(水)、「オフシアター歌舞伎」『女殺油地獄』の新宿FACEでの公演が幕を開けました。
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5月11日(土)から17日(金)まで、天王洲アイル・寺田倉庫で公演を行ってきた、「オフシアター歌舞伎」『女殺油地獄』。場所を変え、歌舞伎町・新宿FACEでの公演が5月22日(水)に開幕しました。
雑然とした新宿の歌舞伎町一番街を通り抜けた先、開けた広場の前に建つビル、ヒューマックスパビリオン新宿歌舞伎町の7階に、新宿FACEは位置します。エレベーターを使い、会場へと向かうと、普段歌舞伎を行う劇場や、天井が高く開放感のある寺田倉庫とは違い、ライブハウスならではの密度が感じられます。
傾斜のついた客席の向こう、普段プロレスも行われるというステージの上には幕が吊るされています。そこに投影されるのは、過去と現在をつなぐ、プロジェクションマッピング。過去と現在の象徴も交えた映像のなかに、まさに今自分が会場に向かうために通ってきた歌舞伎町のネオン街も、現在の象徴のひとつとして映ります。映像の独特な空気感に、そして覚える妙な親近感に、同じ作品でも寺田倉庫とはまた異なる楽しみがあるのではと、期待が高まります。
映像の終わりとともに、いよいよ始まる『女殺油地獄』。芸者小菊(中村壱太郎)や仲間の前だと見栄を張りたくなる与兵衛(中村獅童)の姿や、与兵衛と小菊の関係性そのものが、歌舞伎町という土地で行われることで、よりリアルに感じられます。獅童と荒川良々の軽妙な掛けあいに笑いが起きる場面もある一方で、義太夫節をしっかりと聞かせながら芝居を見せる場面もある、緩急をつけた「オフシアター歌舞伎」『女殺油地獄』の世界に、客席はやがて自分が新宿の雑踏のなかの空間にいることを忘れるほど引き込まれていきます。そして、見せ場の殺しの場面。油は使わないものの、光を見事に使った演出で緊迫感、恐怖心を増長させ、海老反りも美しく見せます。
今回は、上演されることが珍しい「豊嶋屋逮夜」の場面もあり、涙を流しながら名前を叫ぶ両親に見つめられるなか、与兵衛が逮捕される様子を描きます。
寺田倉庫では倉庫ならではの柱もありましたが、新宿FACEは開けた空間。四方から出入りする俳優がどの席からもよく見え、近くから見ることができます。
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「オフシアター歌舞伎」『女殺油地獄』歌舞伎町 新宿FACE公演は5月22日(水)~29日(水)までの公演です。当日券含め、チケットの詳細は公演情報をご確認ください。