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南座新開場一周年記念「吉例顔見世興行」上演演目が決定

南座新開場一周年記念「吉例顔見世興行」上演演目が決定

 南座「當る子歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」製作発表 左より、藤田孝南座支配人、安孫子正松竹株式会社代表取締役副社長

 11月30日(土)~12月26日(木)、南座新開場一周年記念 京の年中行事「當る子歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」の製作発表が行われ、上演演目が発表されました。

 昨年11月に新開場した南座。今年の「吉例顔見世興行」でも昼の部、夜の部ともに4演目が並びます。会見に出席した安孫子正松竹株式会社代表取締役副社長は、「先輩(役者)に舞台に出ていただいて、そして若い世代を引き上げていく。俳優さんが、芸の幅を広げていく機会を」と、「吉例顔見世興行」に対する思いを伝えました。今回も、義太夫狂言から世話物、舞踊まで彩り豊かな作品に、豪華な顔ぶれが出演します。

 

 昼の部は近松門左衛門作、『輝虎配膳』で幕が開きます。愛之助の輝虎に、越路を秀太郎が勤めます。お勝に雀右衛門、直江山城守には「吉例顔見世興行」初出演の隼人、その妻に壱太郎が出演。今年の7月に重要無形文化財「歌舞伎脇役」保持者の各個認定(人間国宝)を受けた秀太郎は、今回、顔見世出演通算70回を迎える節目の年。愛之助の輝虎で自身が越路を演じたいという思いがあったとのこと。

 

 続いて常磐津の名作舞踊『戻駕色相肩(もどりかごいろにあいかた)』。先日、梅丸が、梅玉の養子となり中村莟玉と名を改めることが発表されました。東京では、11月の歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」で披露狂言が決定。この度も、莟玉の披露を兼ねての出演です。梅玉の浪花の次郎作実は石川五右衛門、梅丸改め莟玉の禿たより、時蔵の吾妻の与四郎実は真柴久吉にてご覧に入れます。

 

 みどころたっぷりの時代物の名作『金閣寺』は、今回、藤十郎と成駒家一門が出演します。松永大膳を鴈治郎が、此下東吉後に真柴久吉を扇雀が、雪姫を壱太郎が、そして慶寿院尼を藤十郎が勤め、興味深い配役となっています。さらに、大膳弟鬼藤太に亀鶴、十河軍平実は佐藤正清に愛之助、狩野之介直信に芝翫が決まりました。『金閣寺』は意外にも、南座の顔見世では初めての上演となります。

 

 昼の部最後の演目は、義太夫狂言の名作『仮名手本忠臣蔵』から「祇園一力茶屋の場」を仁左衛門の大星由良之助で上演。寺岡平右衛門を芝翫、お軽を孝太郎が勤めます。また、大星力弥は千之助、三人侍には進之介、隼人、橋之助が配されました。『仮名手本忠臣蔵』のなかでも人気の高い「七段目」の上演です。

 

 夜の部最初の作品は、近松門左衛門の『堀川波の鼓』。彦九郎を仁左衛門、お種を時蔵、お藤を壱太郎、文六を千之助、磯部床右衛門を亀鶴、おゆらを扇雀、そして宮地源右衛門を梅玉と、魅力的な顔ぶれとなりました。

 

 続いて、ユーモアあふれる舞踊劇『釣女』です。愛之助の太郎冠者、鴈治郎の醜女、隼人の大名某、梅丸改め莟玉の上臈で披露します。醜女が顔を見せてからの大騒動が見ものです。太郎冠者と醜女のやりとり、若手のフレッシュなコンビにもご注目ください。

 

 夜の部3つ目には、世話物狂言『魚屋宗五郎』を上演します。魚屋宗五郎を芝翫、女房おはまを雀右衛門、磯部主計之助を鴈治郎、磯部召使おなぎを孝太郎、小奴三吉を橋之助、浦戸十左衛門を秀調が勤めます。妹が無実の罪で手討ちになったことを聞き、宗五郎が絶っていた酒に手を出し酔っぱらう様子や、長ぜりふなどが見逃せない、河竹黙阿弥による傑作をご覧ください。

 

 今年の「吉例顔見世興行」、最後を締めくくるのは、『越後獅子』。角兵衛獅子を隼人、橋之助、千之助、梅丸改め莟玉が勤めます。若手四人による、にぎやかで変化に富んだ所作事をお楽しみください。

 京都南座新開場一周年記念 京の年中行事「當る子歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」は11月30日(土)から12月26日(木)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹で11月6日(水)販売予定です。 

2019/08/30