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こども歌舞伎スクール寺子屋「木挽町わかば座」が開催されました
7月23日(金・祝)、歌舞伎座稽古場で、こども歌舞伎スクール寺子屋中学部門成果披露発表会「木挽町わかば座」が開催され、『菅原伝授手習鑑』「賀の祝」、『白浪五人男』「稲瀬川勢揃」が上演されました。
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こども歌舞伎スクール寺子屋中学部門は、これまで寺子屋で稽古を重ねてきた生徒たちが、歌舞伎への理解をますます深め、伝統を未来につなぐために設立されました。成果披露発表会では、「木挽町わかば座」と銘打ち、日頃の成果をお客様に披露します。今回の発表会は、2019年度中学部門歌舞伎コースの生徒たちが昨年3月に開催を予定していたもの。新型コロナウイルスの影響で公演の延期やさまざまな制限があるなかで稽古を重ね、ようやく上演の運びとなりました。
『菅原伝授手習鑑』「賀の祝」は、統括講師であった二世片岡秀太郎が監修した、特別な思いが詰まった演目です。白太夫の70歳の賀を祝うめでたい日になるはずでしたが、梅王丸と松王丸の喧嘩で折れた桜の木の枝が暗示するがごとく、悲しい運命に飲み込まれた桜丸が、白太夫と女房八重に見守られるなか切腹するまでを描きます。梅王丸、松王丸、桜丸とその女房たちを生徒たちが演じ、三兄弟の父・白太夫を片岡千次郎(賛助出演)が勤め、舞台を引き締めました。義太夫狂言の名作である難役を中学部の生徒たちが立派に勤め上げ、客席からも大きな拍手が沸き起こりました。
続く『白浪五人男』「稲瀬川勢揃」は、統括講師・中村梅玉の監修です。日本駄右衛門、弁天小僧菊之助、忠信利平、赤星十三郎、南郷力丸の5人の盗賊が、役ごとに異なるせりふや立廻り、見得を披露し、最後は美しく絵面で決まります。捕手には、片岡千壽、片岡千次郎、片岡愛三朗、坂東家之助、市川卯瀧(賛助出演)が出演し、生徒たちの舞台に華を添えました。2班に分かれて上演し、生徒それぞれが役づくりをして臨んだ名のりや立廻りに、惜しみない拍手が送られました。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、観覧人数を制限しての発表会となりましたが、中学部の生徒たちの日ごろの成果が存分に発揮された充実の舞台となりました。ダイジェスト映像も公開されておりますので、下記よりぜひお楽しみください。