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児太郎、隼人「いぶき、特別公演」のお知らせ

　6月1日（水）から全国9カ所で開催される「いぶき、特別公演」に出演の中村児太郎と中村隼人が、公演に向けての思いを語りました。

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　次世代の歌舞伎俳優のさらなる活躍のため、未来へつなぐ新しい挑戦として企画された「いぶき、」。今回は「いぶき、特別公演」として、各地の若い世代にも歌舞伎の魅力を伝えていくことを目指し、国内の能楽堂や劇場で開催されます。同年代の児太郎と隼人が初めて二人だけで勤める巡業公演です。

二人だけで挑む公演

　「二人なので、各々にかかる責任が大きい。コロナ禍でなかなか舞台に立つことがかなわないなか、目標とするお役を、能楽堂はじめ素晴らしい劇場で演じられることに感謝の思いでいっぱいです」と、切り出したのは児太郎です。隼人も、「大作に挑戦できる。身が引き締まる思いです」と真剣な表情を見せながら、「初舞台を踏む前から、一緒に育ってきた二人が、こうして責任をもった興行をさせていただけることはうれしいことです」と、喜びをにじませます。

　ともに平成5（1993）年生まれの二人。これまで舞台で大きなチャレンジをする時期が重なることが多かったと振り返り、お互いの活躍が刺激になっている、と口々に語ります。「彼（隼人）は人を惹きつける力をもっている。多分、僕にとって一番認めて欲しかった人なのかな」と児太郎が言うと、「彼（児太郎）は裏表がない人。彼がいなければ、今の僕もおそらくない、と思える相手です」と隼人が続け、少し照れながらも互いについて話す様子から、二人の絆の強さが伝わります。

自分たちだからこそ出せるものを

　『藤娘』は「祖父の（七世）芝翫に習った、数少ない踊りの一つ」という児太郎。「今、自分ができる一番の『藤娘』をどれだけ表現できるかが楽しみです」。『二人椀久』については、「玉三郎のおじ様（坂東玉三郎）にお話を伺いながら、僕たちだからこそ出せるもの、自分たち二人の世界を築き上げることを、まず頑張りたいです。ゆくゆく、他の劇場でも二人でやってほしいと言っていただけるようになれたら」と、これからを見据えた思いも明かします。

　その言葉を頷きながら聞いていた隼人は、「『雨の五郎』は、踊りの技術もそうですが、荒事のおおらかさ、廓通いの色気を意識したいです。また『二人椀久』は幻想的な世界観が魅力。僕は恋焦がれ、恋に狂う男の役なので、児太郎くんを愛し過ぎるくらいに演じられるよう心がけていきたいです」と、やる気を見せます。「良いペアだと言っていただけるように」、二人で作品をつくり上げたい、という思いは一つのようです。

　改めて公演に向けて、児太郎は、「劇場でお客様とお会いすることを一番の楽しみに、やってよかったと思えるよう、最後までしっかり勤めることが一番の目標です」と述べます。隼人は、来場者全員に配られるプログラムについて、「世界的な写真家のレスリー・キーさんに撮っていただいた、紋付きや洋服や『二人椀久』の姿が散りばめられた永久保存版です」と、アピールしながら、「私たちの舞踊を観て、少しでも心が明るくなったり、生きる希望をもっていただける方が増えたらいいなと思って勤めていきます」と、思いを伝えました。

　時に相槌を打ち合い、意気込みを熱く語る二人の舞台に、ますます期待が高まります。詳細は下記をお確かめのうえ、お早めにチケットをお申込みください。

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いぶき、特別公演

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一、雨の五郎（あめのごろう）　

曽我五郎時致：中村隼人

二、藤娘（ふじむすめ）

藤の精：中村児太郎

三、二人椀久（ににんわんきゅう）

松山太夫：中村児太郎
椀屋久兵衛：中村隼人

■日時と場所

観世能楽堂（東京都）