ニュース
大阪松竹座「七月大歌舞伎」初日開幕

2025年7月5日(土)、大阪松竹座「尾上菊之助改め八代目尾上菊五郎襲名披露 尾上丑之助改め六代目尾上菊之助襲名披露 七月大歌舞伎 関西・歌舞伎を愛する会 第三十三回」が初日の幕を開けました。
▼
今年の「七月大歌舞伎」は、尾上菊之助改め八代目尾上菊五郎襲名披露 尾上丑之助改め六代目尾上菊之助襲名披露です。「七月大歌舞伎」おなじみの、絵看板や色とりどりの幟をはじめ、襲名を寿ぐ祝幕、劇場正面やロビーの装飾なども襲名披露ならではの華やいだ雰囲気をお楽しみいただけます。

▲ 劇場正面を彩る幟

▲ 場内には襲名披露のパネル展示も
昼の部は、『新版歌祭文』「野崎村」で幕を開けます。切ない恋の行方を描いた情感あふれる名作が観客の胸を打ちます。続いては、襲名披露狂言『羽根の禿』『うかれ坊主』。どちらも六世尾上菊五郎の工夫により人気舞踊となった音羽屋ゆかりの作品で、菊之助から八代目菊五郎へと親子リレーで踊り継ぎ、場内を魅了しました。そして、新菊五郎が新三を関西で初めて勤める『梅雨小袖昔八丈』「髪結新三」も襲名披露狂言。新三の粋でいなせな佇まいをはじめ、黙阿弥らしい七五調のせりふ回し、髄所に表現される市井の人々の描写と、江戸の風情や初夏の季節感が感じられるひと幕に、客席も大いに引き込まれました。
夜の部は『熊谷陣屋』で開幕。初日は仁左衛門の熊谷次郎直実で、重厚な義太夫狂言の結末が観客の涙を誘いました。襲名披露『口上』では、菊五郎、菊之助からご来場のお客様へ感謝の言葉が述べられます。居並んだ幹部俳優もそれぞれの言葉で襲名を寿ぎ、場内は大きな声援と温かい雰囲気に包まれました。切狂言は襲名披露狂言、新古演劇十種の内『土蜘』です。前半では、しっとりと紅葉の風景を舞う菊之助の侍女胡蝶に場内が引き込まれます。菊五郎勤める叡山の僧智籌実は土蜘の精は、音もなく頼光に近づく前半の不気味さと、後半の、次々に糸を繰り出しての豪快な立廻りで観客を魅了。万雷の拍手のなか幕となりました。
▼
大阪松竹座「七月大歌舞伎」は、7月24日(木)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹、チケットホン松竹で販売中です。