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4都市を巡る「超歌舞伎2022 Powered by NTT」、初日開幕
2022年8月4日(木)、4都市を巡る「超歌舞伎2022 Powered by NTT」が、博多座で初日を迎えました。
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平成28(2016)年に幕張メッセで初めて上演された「超歌舞伎」は、その3年後、令和元(2019)年に南座で初の劇場公演を実現。本年はさらに、初めての「超歌舞伎」上演となる福岡の博多座、名古屋の御園座、東京の新橋演舞場の3劇場と、京都の南座を、2カ月にわたり巡ります。夏の暑さに負けない熱気あふれる「超歌舞伎」全国4都市公演の最初となる、博多座での公演が、4日(木)に初日を迎えました。
幕開きとなる『超歌舞伎のみかた』では、案内人をつとめる蝶紫と國矢が、九州での初めての「超歌舞伎」公演によせた喜びを口にしつつ、「超歌舞伎」の魅力や楽しみ方を、軽妙なトークでご紹介しました。客席からあたたかい拍手も起こり、お客様と出演者の距離が一気に縮まったところで、「獅童ツイン」が初めて姿を現しました。獅童のようで獅童ではない「獅童ツイン」とは、「超歌舞伎」では“電話屋さん”の屋号でお馴染みのNTTが、現在、研究開発を進める「Another Me®」の最新技術を使い、“獅童らしさ”を構成する、獅童本人の身振り、手ぶり、話し方などのさまざまな要素をAIに学習させ、あたかも本人がそこにいるかのように、デジタル空間上に再現した獅童の“デジタルツイン”です。声にも、NTTが開発した最先端の音声合成技術が用いられ、獅童本人の声のデータを基に再現した、獅童らしい抑揚ある感情豊かな音声が採り入れられています。その「獅童ツイン」が皆様に向かってご挨拶し、蝶紫、國矢と言葉の掛け合いを披露すると、客席からは大きな拍手が送られました。今後この「獅童ツイン」がどのように成長していくか、楽しみになるひと幕となりました。
続いては、『萬代春歌舞伎踊 (つきせぬはるかぶきおどり)』。花見の宴に合わせ、伏見城に呼ばれた、歌舞伎踊りのお国一座。初音ミク勤めるお国が二枚扇を使って踊り、艶やかな手踊りも舞ってみせると、一座の女歌舞伎たちによる流行り唄にのせた軽やかな踊りが続き、場内は華やかな雰囲気に包まれます。やがて現れた獅童勤める真柴結城少将秀康は、三番叟の鈴の段の踊りを披露。秀康と、お国をはじめとする女歌舞伎たちとの息のあった踊りは、観るものを惹きつけました。
大化の改新のきっかけとなった蘇我入鹿討伐を題材とした古典歌舞伎の諸作品と、初音ミクの代表曲「初音ミクの消失」に着想を得て、書き下ろされた『永遠花誉功(とわのはなほまれのいさおし)』。古典歌舞伎を想起する場面や役、また、初音ミクだからこそできる表現、演じられる役どころが登場し、まさに古典歌舞伎とデジタルの融合を体現した面白さに、序盤から引き込まれていきます。
獅童演じる金輪五郎今国と、國矢演じる蘇我入鹿による大詰めの立廻りでは、青龍の力を借りた入鹿の逆襲や、五郎を助けに鎌を届ける白狐の眷属のNTT超高臨場感通信技術「Kirari!」のリアルタイム被写体抽出技術を使った「分身の術」など、デジタル技術も余すことなく使われ、迫力あふれる場面となりました。初めて「超歌舞伎」をご覧になるお客様もペンライトを使って舞台上で繰り広げられる立廻りを応援し、搭載された「大向うボタン」を使った大向うも飛び交いました。さらに初音ミク勤める苧環姫の思いを胸に、五郎が緑の色の灯火を集めると、客席は応えるように緑色のペンライト一色に。「超歌舞伎」ならではの客席との一体感のもと、初日の幕が閉じました。
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「超歌舞伎2022 Powered by NTT」は、8月7日(日)まで博多座にて、その後、8月13日(土)~16日(火)御園座、8月21日(日)~9月3日(土)新橋演舞場、9月8日(木)~25日(日)南座へと、約2カ月の全国4都市公演が続きます。チケットの詳細は、それぞれの公演情報をご確認ください。