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勘九郎、七之助「春暁特別公演 2023」のお知らせ

　2023年3月6日（月）から全国12カ所で開催される「春暁特別公演 2023」について、出演する中村勘九郎と中村七之助が思いを語りました。

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継続は力なり

　平成17（2005）年から続く勘九郎と七之助を中心とした「春暁特別公演」は、今回で18回目を迎えます。勘九郎は、「始まった当初はこんなに続くとは思っていませんでした。継続は力なりという言葉の通り、毎年やらせていただくことによって、私たちはもちろん、中村屋の弟子も含めて皆の力になっています。この特別公演をきっかけにほかの劇場に足を運んでくださる新しいお客様も増えました。今回もこうして全国巡業をできるのは本当にありがたい」と、しみじみと話しました。

　七之助は、「コロナ禍で大都市には行きづらいという地方のお客様も多くいらっしゃるなか、私たちがいろいろなところを回らせていただくことで歌舞伎を見ていただく機会をつくることができ、本当にうれしく思います。中村屋一丸となって、一所懸命に良い舞台を皆様にお見せできたら」と、意気込みました。

工夫を凝らした華やかな演目

　今回の春暁特別公演では、「トークコーナー」、『元禄花見踊』、『仲蔵狂乱』、『相生獅子』が上演されます。「トークコーナー」はこの巡業公演ならではのコーナーであり、「歌舞伎は伝統芸能で敷居の高いものというイメージがあるので、まずはお客様の心の壁をとり払ってから、演目を観ていただきたい思いがあります。できるだけ飾らないことを意識してつとめています」と勘九郎。七之助は、「今回もコロナ禍で、（質問を募る）挙手制にはできず、紙に質問を書いていただき、それを読み上げるパターンになると思います。そこでお客様とコミュニケーションを取れることが、僕は一番楽しみです」と、微笑みました。

　続く『元禄花見踊』は、「綺麗なものをご覧いただき、歌舞伎の世界観に入っていただこうかなと。何も考えずに、一緒に花見をするような気分で観ていただければ」と、七之助は呼びかけます。「（元禄の男女が踊る）ビジュアルの美しさもそうですし、その当時の鬘の結い方を目で楽しんでいただきたい演目です。中村屋の弟子も出演し、華やかに踊ってくれると思います」と、勘九郎も期待を込めます。

　勘九郎が出演する『仲蔵狂乱』は、舞踊の名手と語り継がれている初代中村仲蔵が演じた狂乱物。昭和35（1960）年に七世尾上梅幸が歌舞伎座で上演して以来の上演となります。勘九郎は、「なかなか本興行で出ない、珍しい踊りを上演できるのもこの特別公演の意義なので」、今回上演するに至ったと言います。「中村屋の私たちにとってもゆかりのある人物が演じた役ですので、楽しんでいただければと思います。この難しい踊りをどれだけ現代のお客様に楽しんでいただけるかが、踊り手の腕のみせどころ」と、勘九郎は気合十分に話しました。

　『相生獅子』に出演する七之助は、「（二人のお姫様が登場し）まずは格式高い踊りをお見せして、最後は獅子になって出てくる。お姫様の格好で毛を振るという珍しい踊りです。『相生獅子』という一つの演目のなかで、様々な姿の二人を見ることができる」と、作品の魅力を紹介します。共演する中村鶴松の最近の活躍について尋ねられると、「実力はもともとありましたが、チャンスが巡ってきて、とてもいい時期に来ていると思うので、これからも一つひとつの役を勝ちとっていってほしい」と、真剣な面持ちで答えました。

　「コロナという流行り病が出てから早3年になりますが、日頃から気をつけなければいけなかったり、いつもと勝手が違ったりする鬱々とした気分を、劇場に来てくださって芝居を観ている間だけは忘れさせて、美しい世界に誘いたいと思って私たちも切磋琢磨しようと思っています。お客様も、難しいもの、堅苦しいものという気持ちではなく、春爛漫のひとときを楽しんでいただければうれしく思います」と、勘九郎は締めくくりました。

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中村勘九郎　中村七之助

春暁特別公演 2023

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一、トークコーナー

中村勘九郎

中村七之助

中村鶴松

二、元禄花見踊（げんろくはなみおどり）

元禄の男：中村いてう

元禄の男：中村仲助

元禄の男：中村仲侍