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猿之助、團子が語る、博多座「二月花形歌舞伎」

猿之助、團子が語る、博多座「二月花形歌舞伎」

 

 2023年2月5日(日)より開幕する博多座「二月花形歌舞伎」の『新・三国志 関羽篇』に出演、2月21日(火)の「夢見る力-特別舞踊公演-」を監修する市川猿之助、2つの公演に出演する市川團子が、公演に向けての思いを語りました。

『新・三国志』の魅力を、博多座公演ならではの演出で

 博多座では、平成12(2000)年以来となる『新・三国志』。「初演の博多座で観ていただいたお芝居とはテイストが異なるかもしれないですが、演じる俳優によって違いがあるのは歌舞伎の面白さでもあります。今年の歌舞伎座「三月大歌舞伎」で上演したものに少し手を加え、新しくなった『新・三国志』をお客様にお楽しみいただきたい」と、話す猿之助。博多座の舞台機構の素晴らしさに触れながら、歌舞伎座での内容をさらに充実させ、初演で自身が挑んだ「大滝の立廻り」の復活と、お客様の頭上を飛ぶ「斜め宙乗り」に挑むことも明かしました。

 

猿之助、團子が語る、博多座「二月花形歌舞伎」

 

 「三国志」という物語の魅力について聞かれた猿之助は、「事件が次々と起って本当に面白い。男の戦いが中心に描かれる作品が多いなかで、本作では、脚本の横内謙介先生がこれを恋愛物語にされたというのが非常に味噌だと思っています。多くの方が入りやすくなり、今回は最初に解説映像も入りまして、“三国志”の世界がよりわかりやすくなっています。お子さんはもちろん、親子三代で楽しめる、誰にでもわかる物語になっていますので、ぜひ観ていただきたいです」と、自信をもって語ります。 

 

 実は福岡生まれという團子は、今回の博多座初出演について、「とても楽しみ」と笑顔を見せながらも、「歌舞伎座公演の際に、自分のなかに古典がしっかり入っていることが大事だと改めて感じました。その後出演させていただいた公演の経験を少しでも活かして、進化した関平を演じたいと思います」と、真剣なまなざしで語ります。また、公演の大きなみどころとなる「大滝の立廻り」について聞かれると、「猿之助さんの関平を当時の映像で見て、その場面が大好きでしたので、今回やらせていただけるのは、本当に楽しみです」と、気合も十分です。

 

猿之助、團子が語る、博多座「二月花形歌舞伎」

 

「夢見る力」

 『新・三国志』のテーマでもある「夢見る力」について、猿之助は「実は僕は、“夢見る力”と書いて、“実現する力”と読み替えています。夢は見続けるだけではだめで、実現のために人と人との縁が大事。力で実現させていく曹操と孫権とは違い、和を大事にして実現させる関羽にも通ずるものがある」と、思いを役に重ねます。祖父三代目猿之助(現 猿翁)の映像を見たという團子は、「映像の最後に、“夢見る力”とは、夢に走っていく姿勢のこと、それが一番大切、と書いてあり、僕の“夢見る力”は、まさにそのことだと思っています」と、熱い思いを滲ませました。

 

 『新・三国志』の千穐楽翌々日、令和5(2023)年2月21日(火)には、猿之助監修による「夢見る力-特別舞踊公演-」が決まっています。これについて猿之助は、「最近、新作に挑むことが多い若手俳優に、古典も頑張ってほしいという思いもあります。『悪太郎』は、博多座では初めての上演。九州のお客様にも、あまり上演されない古典をご覧いただきたい思いもあり企画しました」と、その意図を語ります。その思いに応えるように團子は、「見ていてすごく楽しい踊りだと思いましたので、挑戦できることはとてもうれしいです。しっかり勉強したいと思います」と、緊張した面持ちで話します。

 

 最後に猿之助が「いずれの公演も、午後7時前には終演の予定ですので、県外からお越しいただいても、食事をしてお帰りになれる時間になっております。劇場のなかでは、世のなかの一切合切を忘れていただくような“夢見る芝居”をお届けすべく、一所懸命勤めますので、多くの方にご来場いただき、一緒に盛り上げていただけたらと思います」と、笑顔で語り締めくくりました。

 博多座「二月花形歌舞伎」は、2023年2月5日(日)から19日(日)まで、「夢見る力-特別舞踊公演-」は、2月21日(火)の公演。チケットは、博多座オンラインチケット、電話予約センター、劇場窓口ほかで販売中です。

2022/12/22