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勘九郎、七之助が語る「平成中村座 小倉城公演」

勘九郎、七之助が語る「平成中村座 小倉城公演」

 

 2023年11月1日(水)から、北九州市 小倉城勝山公園内特設劇場で開催される、「北九州市制60周年 平成中村座 小倉城公演」に出演の中村勘九郎、中村七之助が、公演について語りました。

勘九郎、七之助が語る「平成中村座 小倉城公演」

 

4年ぶりとなる「平成中村座 小倉城公演」

 令和元(2019)年11月に、九州では初めてとなる「平成中村座 小倉城公演」が開催され、小倉城を背景にご当地物の『小笠原騒動』が上演されたことも、大変な話題を呼びました。当時の人気ぶりを振り返って勘九郎は、「公演前に行われたお練りのときから歓迎していただいて、もう街が大変なことになっていました。4年ぶりにこの小倉に帰れることをとてもうれしく思っています」と、興奮気味に話します。

 

 七之助も「小倉は本当に素晴らしいところで、お客様の盛り上がりがとにかくすごかったのを覚えています。平成中村座は、舞台の後方を外に向かって開く演出があるのですが、その様子を外から見てくださっているお客様の数が、これまでの公演と比べても、記録的でした。何百人も見に来てくださって、全力で応援してくれました」と、目を輝かせます。

 

勘九郎、七之助が語る「平成中村座 小倉城公演」

 

小倉の街への恩返し

 コロナ禍を越え、再演が決まったときは本当にうれしかったと話す二人。前回の公演では、その人気から地元の方があまりチケットを買うことができなかったこともあり、勘九郎は「市民先行販売」をアピールします。さらに劇場の雰囲気を盛り立てる中村座名物の長屋は、九州ご当地ならではのお店も新たに加わり、20軒から30軒にグレードアップ。七之助は「劇場の外でも、江戸の街並み、雰囲気を誰もがを楽しめるように、テーマパークのような思いでつくっています」と、自信をもって語ります。

 

 また、前回の公演で出演者をはじめ、多くの関係者が親交を深めた地元の旦過市場が、昨年2度の火事に見舞われてしまったことに触れると、勘九郎は「休演日に、チャリティーイベントができないかと考えています。私たちも楽しませてもらった小倉の街に、この公演を通じて少しでも元気を取り戻してもらいたい」と、神妙な面持ちで話し、トークショーと、映画『中村勘三郎』を上演し、その売上金を全額寄付する計画を明かしました。

 

役を受け継いでいく 

 上演演目についての質問に、勘九郎はすかさず「それはもう、最初に『小笠原騒動』を再演してほしいと言われました」と、答えます。「(中村)芝翫の叔父が勤めているときに拝見して、あまりに面白くて自分でチケットを買って見に行ったほど大好きな演目でもあります。この演目で、芝翫の叔父の息子である、中村橋之助、中村福之助、中村歌之助の三兄弟が、小倉城の前でパワーをもらって頑張ってもらいたい、そういう思いもあります」と、未来を見据えた思いを明かすと同時に、今年も予定されている地元、小倉祇園太鼓のみなさんとの共演にも強い期待を込めました。

 

勘九郎、七之助が語る「平成中村座 小倉城公演」

 

 『義経千本桜』の「渡海屋」「大物浦」については、「勘九郎襲名以来、10年ぶりとなります。父(十八世中村勘三郎)が襲名前に逝ってしまい、さてどうしようと思っていたところに、(片岡)仁左衛門のおじ様が手を差し伸べてくださいました。衣裳も含め、スタッフの方に父のやり方を聞いてくださり、父のやり方で、知盛の気持ちや、せりふ回しを教えてくださった。本当にありがたく、大きな力をいただきましたので、受け継いでいきたいと思います」と、力強く語ります。

 

 七之助は「『小笠原騒動』では、お大の方という、敵役を勤めます。昼の部の『義経千本桜』「渡海屋」の典侍の局は、20代の頃、祖父(七世芝翫)に、一から教わった思い出のあるお役ですので、大切に大切に演じたいなと思っております」と、意気込みます。『風流小倉俄廓彩(ふうりゅうこくらにわかのさとのいろどり)』は、『俄獅子』をベースにし、小倉の風情や場所などを歌詞に含んで、さわやかな踊りになるよう準備しているとのこと。終始笑顔の二人が「ご期待ください」と声をそろえて、締めくくりました。

 「平成中村座 小倉城公演」は、11月1日(水)から26日(日)までの公演。チケットは9月16日(土)から、博多座オンラインチケット、電話予約センター、劇場窓口ほかで販売予定です。

 

勘九郎、七之助が語る「平成中村座 小倉城公演」

 左より、山根成之松竹株式会社取締役副社長、中村七之助、中村勘九郎、貞刈厚仁株式会社博多座代表取締役社長

2023/07/05