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玉三郎が語る、大阪松竹座「初春お年玉公演」、「はるのひととき」

 

 2024年1月3日(水)から始まる大阪松竹座「坂東玉三郎 初春お年玉公演」、1月18日(木)から始まる大阪松竹座「坂東玉三郎 はるのひととき」に出演の坂東玉三郎が、公演に向けての思いを語りました。

 

楽しめる「お年玉」を

 令和6(2024)年の年明けには、大阪松竹座で複数の公演に出演する玉三郎。「このような設定の公演をすることを皆様と相談して、決めるまでが挑戦でしたが、発表したらやるだけですね」と、決意を述べます。

 

 「この数年、お正月は松竹座で公演をさせていただいていますが、今回はお客様に気楽にお越しいただける公演ということを考えました。お年玉公演は、まずはお正月の口上。それから、女方の話もしたいと思っています。川瀬露秋さんらの演奏による『黒髪』、『由縁の月』の地唄舞、そして間には松竹座の歴史を紹介する映像を入れるなど構想しています。お年玉ですから、開けてみないと分からない(笑)」と、明かします。

 

 「はるのひととき」は今年7月の南座公演に続き、春風亭小朝とともに出演する公演となります。「今年“夏のひととき”を、南座さんで開かせていただいたときにご相談いたしました。小朝さんはこの何年間か、越路吹雪さんをテーマにした人情噺をおつくりになっていまして、『越路吹雪物語』のなかで僕の歌などを交えて上演する予定です」。

 

 

凝縮された地唄の魅力

 地唄舞の魅力を問われた玉三郎は、「地唄はお座敷で、あるいは小さな空間で発展してきた芸術だと思います。『黒髪』は、長唄の作品が地唄になっていて、『由縁の月』は、歌舞伎の『吉田屋』のなかで唄われていますので、お年玉公演では、歌舞伎に出てくる作品が地唄で踊られるということになります。“はるのひととき”でお届けする『雪』は、武原はんさんが劇場でも上演された作品の一つです。動きが少ないなかで音楽に乗って情緒纏綿とした空気が劇場に流れていく、長唄の歌舞伎舞踊とは全く違った、凝縮されたなかでの魅力があるのではと思います」と、語ります。

 

 「お年玉公演は初の試みとなりますが、少ないメンバーでの舞台で、どうやったら楽しんでお帰りいただけるかを考えています。記念撮影の場所を設ける、映像を使用するなど、お正月の雰囲気をどうつくるかを考えて、準備を進めています。私が新しい試みをすることによって、また他の方たちもそういうことができるようになっていけば」と、期待をこめるひと幕も。

 

大きな意味をもつ劇場

 今年開場100周年を迎えた大阪松竹座。「松竹座が新しくなる前、映画館であったときも見ておりました。やっぱり白井松次郎さん、大谷竹次郎さんが、あの時代に洋式の劇場を、このミナミに建てたことに感動しましたね。非常にいい空間です。この正面玄関が阪神・淡路大震災でも残ったということも印象的です」と、直に目にしてきた、その歴史を語ります。

 

 関西での公演について「40歳ぐらいの頃から、南座で舞踊公演に出させていただき、そこで大きな作品、あるいは復活物をずいぶん上演させていただきました。東京を含めて(客席が)1000席前後の歌舞伎の劇場はなかなかありません。関西では新しい実験的な試みができて、自分の舞台を発表するということにおいて、松竹座、南座ともに大きな意味をもつ場所です」と、その意義に触れ、しめくくりました。

  大阪松竹座「坂東玉三郎 初春お年玉公演」は2024年1月3日(水)から14日(日)まで、 「坂東玉三郎 はるのひととき」は1月18日(木)から20日(土)までの公演。チケットは、「坂東玉三郎 初春お年玉公演」は12月7日(木)から、「坂東玉三郎 はるのひととき」は11月7日(火)から、いずれもチケットWeb松竹チケットホン松竹で発売予定です。

2023/11/02