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南座「坂東玉三郎特別公演」初日開幕

南座「坂東玉三郎特別公演」初日開幕

 南座1階右ロビーにある竹久夢二「長崎十二景」複製パネル展示とともに。左より小波津亜廉、坂東玉三郎

 2025年6月12日(木)、南座で「坂東玉三郎特別公演」の初日が開幕しました。

【舞台写真は、ページ下部でご覧いただけます】

 開幕を控えた11日(水)に、坂東玉三郎と小波津亜廉が意気込みを語りました。本公演では『口上』、地唄『残月』のあとに、竹久夢二生誕140年を記念し、〈映像〉『夢二慕情』と『長崎十二景』を上演。場内では福田美術館、夢二郷土美術館の協力による『長崎十二景』の複製パネル等の展示も行われています。玉三郎は演目の題材となった絵の前で、「(舞台をご覧いただき)どこかにこの絵を感じていただけたら」と話し、さらに「詩人でもあった夢二の理想の世界、表現の世界をお楽しみいただければと思っています」と、舞台とあわせて夢二の世界を味わってほしいと呼びかけました。共演の小波津は、「玉三郎さんとご一緒させていただけることは幸せなことで、受け身にならないよう、夢二の絵の情緒感を表現できればと思っています」と、抱負を伝えました。

 最初の『口上』で、たくさんの拍手に迎えられ、鮮やかな金屏風の前に、裃姿で登場した玉三郎。ご来場の皆様に御礼を申し上げた後、撮りおろしの〈映像〉『夢二慕情』について「〈映像〉『夢二慕情』で竹久夢二の歴史をご覧いただきましてから、続けて『長崎十二景』をお楽しみいただくことで、夢二さんのことをよりお分かりいただけることと思います」と紹介しました。続いては地唄舞の『残月』。月明かりに照らされ、静かに佇んでいるのは憂いを帯びた様子の玉三郎。三味線と筝の音色にのせて、短く生涯を終えた女性の儚さを表現します。切なくも美しい地唄舞に、客席からは感嘆のため息が漏れました。

 

 〈映像〉『夢二慕情』は、玉三郎が扮するたまき、彦乃、お葉、そして語り手の語りによって夢二の半生を描く、撮りおろしの映像作品です。夢二の美人画のモデルとなり、その才能を支えた三人の女性の語りに、観客は耳を傾けました。締めくくりは、夢二の絵画をモチーフに、唯是震一の組曲と舞踊が一体となった『長崎十二景』です。夢二の美人画に描かれるような優美な女性が舞台上に現れ、小波津亜廉演じる男との逢瀬を楽しむ様子を情緒的に描きます。玉三郎が演じる可憐な女の仕草に客席から笑みがこぼれる一方、男が別離を告げる場面では、男を慕う女の仕草や表情が胸を打ちます。夢二の世界観あふれる舞台に、客席からは大きな拍手が送られ幕となりました。

  南座「坂東玉三郎特別公演」は、22日(日)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹で販売中です。 

 

南座「坂東玉三郎特別公演」初日開幕

『口上』坂東玉三郎

南座「坂東玉三郎特別公演」初日開幕

『残月』坂東玉三郎

南座「坂東玉三郎特別公演」初日開幕

『長崎十二景』左から小波津亜廉、坂東玉三郎

2025/06/17