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南座「吉例顔見世興行」『景清』團十郎が清水寺訪問

南座「吉例顔見世興行」『景清』團十郎が清水寺訪問

 清水寺 景清爪形観音

 2023年11月15日(水)、南座「吉例顔見世興行」に出演の市川團十郎が京都 清水寺を訪問し、公演への思いを語りました。

 清水寺に到着した團十郎は、まずは景清爪形観音と対面。このたび「吉例顔見世興行」昼の部で上演される『景清』で團十郎が演じる悪七兵衛景清は、清水寺の観音様を信仰していたとされています。その景清が、自らの爪で彫ったとされている観音像を目にした團十郎は、「7日間、平家再興と頼朝に一太刀あびせたい、という思いで清水寺に籠り、爪で観音様を彫った景清にはよほどの思いがあったのだと思います。命がけだったということがわかります」と、感慨深く語ります。

 

南座「吉例顔見世興行」『景清』團十郎が清水寺訪問

 清水寺 本堂を背景に

 清水寺と景清の逸話は落語「景清」などにも用いられ、さまざまな作品からその信仰心を読み取ることができます。「今回は『景清』ひと幕を上演しますが、『壽三升景清』は、景清が死ぬ間際の走馬灯の瞬間を描いた作品なので、『壽三升景清』と、清水寺様の景清爪形観音がリンクしたと感じました。『景清』は、頼朝に対しての思いが実らず、だからこそ死ぬ間際に夢を見た、景清や平家方の人間の刹那や願いがよく伝わる演目になっていると思います」。

 

 さらに、本堂のほど近くでは、景清の足型を彫ったとされる仏足石を見ることができます。京都に所縁の深い景清の逸話を聞いて、受け継がれる豪傑な姿に思いを馳せた團十郎。当時海老蔵だった自身がつくった『景清』という作品を、襲名披露興行で上演することについて「かなりめずらしいことだと思います。皆でつくった作品が、團十郎襲名でかかる演目になり、うれしいです」と、改めて思いを口にしました。

 

 南座「吉例顔見世興行」は12月1日(金)から24日(日)までの公演。チケットはチケットWeb松竹チケットホン松竹で販売中です。

2023/11/17