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幸四郎、染五郎が語る、歌舞伎座「壽 初春大歌舞伎」

幸四郎、染五郎が語る、歌舞伎座「壽 初春大歌舞伎」

 

 2024年1月2日(火)から始まる歌舞伎座「壽 初春大歌舞伎」に出演の松本幸四郎、市川染五郎が、公演に向けての思いを語りました。

新境地に挑む

 今回、3演目に出演する幸四郎と染五郎。『狐狸狐狸ばなし』について、幸四郎は、「伊之助をやらせていただくと聞いたときは驚きました」と明かし、「変なことをやるというより、一生懸命やる姿が面白いお芝居という印象があります。北條秀司さんは人間の本質を描くのが上手な方。いわゆる騙し合いを描く作品ですが、ただ笑って面白いだけではない、余韻を感じられるお芝居を目指したいと思います」と、熱意を表しました。

 

 かつて幸四郎も演じたことのある又市を、今回初役で勤める染五郎も、「又市を演じられるとは思ってもみませんでしたが、経験したことのない役柄を勤めさせていただけてうれしいです。お客様をも騙すような気持ちでやるようにと、父にアドバイスいただきました。人を笑わせるのも好きですし、いろいろな役ができる役者になりたい」と、やる気を見せます。

 

幸四郎、染五郎が語る、歌舞伎座「壽 初春大歌舞伎」

 

親子三代の共演

 『息子』では、松本白鸚とともに、親子三代の共演となります。幸四郎は、「父、私、息子と三人で同じ舞台に出るというのは、ありそうでないことでしたので、一緒にお芝居できることがとてもありがたいです。それがまた三人しか出ない芝居ですので、こんなチャンスはそうそうないだろうと思っています。三人にしかできない『息子』の世界に、お客様をお連れできたら」と、真摯に語ります。

 

 父・白鸚との芝居については、「互いの気持ちを察する芝居に関しては、親子の得意技でないといけないと思っています。舞台セットも、小さい火の番小屋が一つ、ポツンとあるだけですので、人間の繊細な心の変化が、きちんとお客様に伝わるような芝居を目指したい」と、意気込みます。

 

幸四郎、染五郎が語る、歌舞伎座「壽 初春大歌舞伎」

 

さらなる変化を目指して

 『鶴亀』について染五郎は、「とても華やかな踊り。お正月だからこそ歌舞伎を観に来られるお客様もいらっしゃると思うので、華やかな気持ちで1年をスタートしていただけるような踊りにしたいと思っています。実は、今回勤めさせていただく従者の(踊りの)分量が増えているようで、プレッシャーも感じていますが、同役の(尾上)左近くんは同世代なので、刺激をもらいながら楽しめたら」と、頬を緩ませました。

 

 染五郎の芸の成長に対して、幸四郎は「今、いろいろなことを吸収していく時期だと思うので、毎日変わっていくことを目指して、さまざまな芝居や役に挑戦していってほしいですね。1日3役、それぞれ100%出し切る意識で、歌舞伎の舞台で大きく輝いてもらいたいと思います」と、さらなる飛躍への期待を寄せました。

 歌舞伎座「壽 初春大歌舞伎」は1月2日(火)から27日(土)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹で販売中です。

2023/12/27