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新作シネマ歌舞伎『刀剣乱舞 月刀剣縁桐』舞台挨拶に出演者が登場
2024年4月5日(金)より全国公開の新作シネマ歌舞伎『刀剣乱舞 月刀剣縁桐(とうけんらんぶ つきのつるぎえにしのきりのは』に出演する尾上松也、尾上右近、中村鷹之資、中村莟玉、上村吉太朗、河合雪之丞が、3月25日(月)、東京 丸の内ピカデリーで行われた完成披露上映会の舞台挨拶に登場しました。
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人気オンラインゲーム「刀剣乱舞」に興味をもつうちに、物語やキャラクターの造形が、歌舞伎にしたら面白いのではないかと思っていたと、話す松也。「アニメや映画にもなっていますが、それぞれの分野でオリジナルストーリーを考えることができるのも非常に魅力的でした。新作歌舞伎として上演するまでの間、2年ほど関係者の方々と何度も何度も会議を重ねて物語とキャラクターをつくり上げました」と、振り返って感無量の様子です。
自身の三日月宗近という役については、「刀剣乱舞ファンの皆さんでしたら、誰もが知っている看板のお役なので、その役どころを忠実に歌舞伎に落とし込むようにしました。さらに、歌舞伎でしかできないことを出していきたいと思っていましたし、未来世から来たものという雰囲気も崩さないように心がけました」と、中心人物を演じた難しさを明かします。
小狐丸と足利義輝を演じた右近は、「実は、 以前伏見稲荷にお参りした際に、小狐丸をつくったとされる井戸の付近で、不思議な出来事がありました。その後このお役が決まったので、僕はもう小狐丸に選ばれしものだと思っています(笑)。義輝は、互いに戦う運命にありながら、宗近と心を通わせていたと思います。心を打つ物語だと感じましたし、音楽も素敵で、松也さんと涙を流しながら稽古をするほどの思い入れがありました。その熱量は、スクリーンにも投影されていると思いますので、ご注目ください」と、興奮気味に語ります。
同田貫正国と松永大和之助久直を演じた鷹之資は、「元の作品があって、それを歌舞伎にしていく舞台に挑戦するのは初めてでしたので、本当に緊張しました。同田貫というキャラクターは実直で無骨。それがすごく自分に合っていて、稽古しながらどんどん馴染んでいきました。松永久直も、また違った実直さがある役で、どう演じ分けていくか、日々稽古で試しながら愛着がわいて、忘れられない2役、そして大きな挑戦の作品となりました」と、真剣な眼差しで話しました。
髭切と義輝妹紅梅姫を演じた莟玉は、「髭切は、千年以上の歴史のある刀でありながら、世の中に無頓着で、弟の名前も忘れてしまうようなお役と聞きました。そんな髭切が自分にぴったりと言われましたので、そのイメージを利用して役をつくりすぎず、自分と髭切とを合わせていくようにしました。紅梅姫は、これまであまり描かれることのなかった、刀剣男士との恋模様が描かれています。宗近へのかなわぬ思いが、素晴らしい音楽とともに美しい一場面をつくりあげていますので、楽しんでほしいです」と、笑顔で語ります。
髭切の弟・膝丸を演じた吉太朗は、「このお役のご連絡をいただいたときには、とても人気の高いキャラクターであることを繰り返し言われましたので、プレッシャーでもありました。すでにある世界感から歌舞伎に落とし込む作業は、経験上難しいと思っていたのですが、膝丸は歌舞伎につながる部分もあり、歌舞伎オリジナルの膝丸をお届けしたい気持ちが強く、いろいろ工夫しました。髭切の兄者である莟玉さんがどんな球を投げても返してくださり、そのおかげで安心して毎日勤められました」と、楽しそうに振り返ります。
小烏丸を勤めた雪之丞は、「小烏丸は、女方を勤める俳優がいいだろうと、お声がけいただいたと思っています。一番年かさのお役でしたので、皆さんよりちょっとだけ年上の私がちょうどいいかなと。アニメのキャラクターもさわやかな雰囲気でしたので、なるべくそれに近づけるように勤めさせていただきました。公演の中日頃に、突然松也さんから、次の公演からせりふが増えます、とお話があったときには、さすがに驚きましたけれども」と、当時の様子を話すと、松也が「雪之丞さんは慌てていらっしゃいましたが、さすが本番では完璧でした」と称賛し、チームワークの良さをのぞかせました。
最後に松也が、「新作シネマ歌舞伎『刀剣乱舞 月刀剣縁桐』は、普段客席からは観られないようなアングルからも撮影し、細かい部分にもこだわってつくってきました。僕たちがすごい熱量をもってお芝居をしていた姿を、より近くで観ていただくことで、劇場で観るのとはまた違った美しさや魅力の発見があると思います。すでに舞台でご覧になった方も、新たな『刀剣乱舞 月刀剣縁桐』を観るつもりで楽しんでいただけたらうれしいです」と話し、締めくくりました。