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歌舞伎NEXT『朧の森に棲む鬼』新橋演舞場で開幕

 2024年11月30日(土)、新橋演舞場で、歌舞伎NEXT『朧の森に棲む鬼』が初日の幕を開けました。

 舞台は、大国エイアンと、小国オーエの戦いが繰り広げられる乱世。花道から、ライ(幸四郎/松也)と弟分のキンタ(尾上右近)が登場し、折り重なる死体から金品を盗みます。いつしかのし上がる野望を語る二人。どこかから水音が轟くと、ライは、制止するキンタを振り払い、吸い寄せられるように音の正体へと近づいていき、観客も舞台の世界に一気に引き込まれます。

 

 たどり着いたのは、古き神が魔物に変わると言われる、《オボロの森》。そこで、ライを待ち受けていたのは、三人のオボロの魔物たち(時蔵、新悟、染五郎)でした。ライの生き血と引き換えになんでも望みをかなえるという彼らの話に乗り、ライの運命は大きく動き始めます。

 

 エイアン国の四天王・ヤスマサを、魔物たちに授けられた《オボロの剣》で倒したライは、エイアン国と敵対するオーエ国のシュテン党党首・シュテン(染五郎)と出会い、見事に欺き、金を手に入れることに成功します。そこから、盗賊たちを束ねる大悪党、ラジョウのマダレ(猿弥)とも義兄弟の契りを交わし、ヤスマサの妻・検非違使のツナ(時蔵)にも取り入ります。エイアン国国王イチノオオキミ(彌十郎)の妻でありながら、ヤスマサに想いを寄せていたシキブ(新悟)とも関係をもち、ライは強固な立場を築きます。

 

 エイアン国の四天王・サダミツ(松也/幸四郎)、ウラベ(亀蔵)、密偵のアラドウジ(宗之助)、シキブに仕えるショウゲン(廣太郎)など、登場人物それぞれの思惑が複雑に絡み合いますが、ライはそれを逆手にとり、巧みに嘘を重ね、着実にエイアン国の中枢へと入り込んでいきます。味方をも裏切り、憑りつかれたかのように王座への欲望に従い、悪へと転落していくその姿を、客席は固唾をのんで見守ります。嘘をつき続けた先で、ライを待ち受けていた運命とは…。

 新橋演舞場 歌舞伎NEXT『朧の森に棲む鬼』は、12月26日(木)まで、博多座 歌舞伎NEXT『朧の森に棲む鬼』は、2025年2月4日(火)から25日(火)までの公演。チケットは、新橋演舞場がチケットWeb松竹チケットホン松竹ほかで販売中、博多座が博多座オンラインチケット、電話予約センターほかで12月14日(土)から発売予定です。

2024/12/12