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新橋演舞場『双仮名手本三升』出演者が泉岳寺参拝

2025年1月3日(金)から始まる新橋演舞場『双仮名手本三升(ならべがきまねてみます)裏表忠臣蔵』の出演者が、作品ゆかりの地・泉岳寺で墓参りと公演成功祈願を行いました。
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初春の新橋演舞場では、通常上演される『仮名手本忠臣蔵』を“表”、現代ならではの視点を織り込んで新たにつくる部分を“裏”とし、新たな形で描く『双仮名手本三升』を上演。市川團十郎、中村歌昇、中村種之助、中村児太郎、大谷廣松、市川男寅、中村福之助、中村虎之介、中村歌之助、補綴・演出の石川耕士、演出・振付の藤間勘十郎が泉岳寺を訪れました。抜けるような青空の下、しんと張りつめた空気のなか、一同は神妙な面持ちで浅野内匠頭の墓前での法要に参加し、四十七士の墓前で手を合わせました。
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共演者たちと法要と墓参りを終えた團十郎は、「稽古から皆さんのエネルギーを受け止めて刺激を受けながら、一緒に舞台をつくっていくことが楽しみです」と、笑顔を見せました。「『裏表忠臣蔵』を初演した七代目團十郎が心がけた精神を尊重しながら、そしてまた四十七士の方々の思いが込められるような作品にしたいなと思います」と、公演に向けての思いを熱く語ります。共演する市川ぼたん、市川新之助については「与えられたものを素直に」表現してくれるだろうと期待を寄せました。
続いて、寺岡平右衛門を勤める歌昇は、「播磨屋のおじさま(二世中村吉右衛門)に教わっている父(中村又五郎)や弟(種之助)に聞きながらしっかりと役をつくっていきたい」、足利直義と佐藤与茂七を勤める種之助は「与茂七は『仮名手本忠臣蔵』には出てこないお役ですが、新しい視点、新しい解釈で生き生きと演じたい」と、それぞれ意気込みを語りました。おかるを勤める児太郎は、「七段目のおかるは初めて。父(中村福助)も一所懸命教えたいと言ってくれています。新しいものにチャレンジするという気持ちで勤めたい」と、真摯な表情を見せます。
「顔世御前は大先輩の俳優さんが勤められているお役。物語の発端になる大事なお役ですので、精一杯頑張りたい」と思いを伝えたのは廣松です。傾城浮橋と笠岡伝五右衛門を勤める男寅は、「新春は新橋演舞場でお待ちしております」と、爽やかにPRしました。福之助は、「千崎弥五郎は十段目で勤めたことがありますが、やはり五、六段目のイメージです。新年に新橋演舞場に出させていただくのも初めてなので楽しみです」と、前向きな思いを伝えます。
虎之介は、「大星力弥を勤めさせていただきます。父(中村扇雀)や、(中村)梅玉のおじさまに、丁寧に教えていただいて臨みたい」と、気合を込めます。歌之助は、「忠臣蔵の通しに出演するのは初めてです。大鷲文吾は裏表で活躍した人物なので、存在感を出していけたらと思っています」と、役への解釈にも言及しました。
石川耕士は、「新しい視点からの『裏表忠臣蔵』、七代目團十郎さんがおつくりになった精神を大事にしてつくっていきたいと思います」と抱負を語り、藤間勘十郎は、「たいへんに楽しい作品になっていると思います」と、期待を誘いました。改めて團十郎は、「昨今、日本人の心から忠臣蔵が少し離れてきているように思います。その距離を少しでも縮められるような作品にしたいです。新橋演舞場へ、ぜひお越しください」と、力強く呼びかけました。
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新橋演舞場「双仮名手本三升」は2025年1月3日(金)から26日(日)までの公演。チケットはチケットWeb松竹、チケットホン松竹で販売中です。