あなたに一問一答 中村時蔵 あなたに一問一答 中村時蔵

――普段お休みの日はどのように過ごしていらっしゃいますか。

 ゲームですね。とにかくテレビゲーム。1日10時間ぐらいは平気でできます。1日家にいられる日は、前日に大きなポテトチップスとコーラを用意して、次の日に備えます。子どものことも落ち着いて、環境が整ったら、ゲーム開始です(笑)。

――幸せを感じる瞬間はどのようなときでしょうか。

 やはり子どもに関わることが多いかなと思います。久しぶりに一緒にキャッチボールをしたときに、球が速くなったなとか、キャッチがうまくなったなとか…。それから子どものお稽古事に付き添ったときに、できなかったことができるようになっていて、成長を感じる瞬間ですね。

――ご長男の大晴さんへ、親としての向き合い方で、普段心がけていらっしゃることは何でしょうか。

 子どもは親の真似をするものだと、芝居を通じて感じることが多くなりました。ですので、そういう意味で、自分も、子どもにしてほしくないことは、子どもの前でしないように気をつけています。あとは、あまり叱らないようにしていますね。

――歌舞伎以外でご覧になる舞台芸術はありますか?またその魅力はなんでしょうか。

 最近はなかなか観に行けておりませんが、「劇団☆新感線」や、後輩が出ている舞台や、それから親戚が所属していた宝塚を観たりもしましたね。照明や舞台転換の仕方など、いわゆる舞台機構の使い方は勉強になります。例えば舞台上に壁があって、芝居のなかで俳優がその壁を押すと次の場面に切り替わる、という表現に“なるほど”と刺激を受けたり…。古典ではできませんが、でも何か新しいものをつくるときに、そういうものが何かしらの取っかかりになるかもしれない、と感じます。

(小川大晴さんインスタグラムより)

――歌舞伎美人の読者、ファンの皆様へひとこと、お願いいたします。

 いよいよ、六代目時蔵を襲名させていただくことになりました。父が存命の間に、名前を譲っていただくということは、なかなかあることではありませんし、やはり父のその決心を無駄にはしたくない。そして、三代そろって元気で舞台に出られるということも、なかなかあることではございませんので、それを心に重く受け止めながら、皆様に楽しんでいただけるような舞台をお届けしたいと思います。今後も歌舞伎を通して感動を伝えられるよう、精一杯努力してまいりますので、よろしくお願いします。

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襲名披露の公演はさらに、7月の大阪松竹座「七月大歌舞伎」へ続きます


中村時蔵

なかむらときぞう。萬屋。1987年生まれ。五代目中村時蔵の長男。1991年6月歌舞伎座『人情裏長屋』の鶴之助で初お目見得。1994年6月歌舞伎座〈四代目中村時蔵三十三回忌追善〉の『幡随長兵衛』の倅長松と『道行旅路の嫁入』の旅の若者で四代目中村梅枝を襲名し初舞台。2024年6月歌舞伎座『妹背山婦女庭訓』「三笠山御殿」の杉酒屋娘お三輪で、六代目中村時蔵を襲名。