あなたに一問一答 片岡仁左衛門 あなたに一問一答 片岡仁左衛門

――7月は長く大阪松竹座にご出演の月でした。7月に歌舞伎座に出られるのは久々ですね。

  昭和52(1977)年7月以来ですから、ほぼ50年ぶりです。大阪松竹座が閉場したのは大変に残念でしたが、建物の安全性の問題ですから止むを得ません。ですが、大阪から歌舞伎の劇場は消えないはずです。松竹さんもその方向で頑張っていますし、いずれ文化の拠点になる劇場ができるとうかがっています。

――大阪松竹座の最後を飾る、「御名残四月大歌舞伎」では『寺子屋』の松王丸、「御名残五月大歌舞伎」では『盛綱陣屋』の佐々木盛綱という大役を勤められました。

 82歳での松王丸は最高齢ではないかと思いましたが、父(十三世仁左衛門)が82歳で勤めていました。そのとき、父はすでに眼も患っている状態で、しかも同じ年に歌舞伎座と南座で2回も演じています。「ああ、おとうさんはスゴイなあ」と思いました。

――子役時代に出演された御浜遊びのおいぬを始めとして、綱豊までに助右衛門、新井勘解由(白石)を演じておられます。

 白石は喜の字屋のおじさん(守田勘弥)の綱豊で、30歳そこそこで演じています。普段可愛がっていただいているおじさんの嚮導役ですが、照れくささは感じませんでした。照れくさくてたまらなかったのは『新口村』の孫右衛門(平成8〈1996〉年6月歌舞伎座)です。本当におじいさんに見えるだろうかと心配でした。

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片岡仁左衛門

かたおかにざえもん。松嶋屋。1944年3月14日生まれ。十三代目片岡仁左衛門の三男。1949年9月大阪・中座『夏祭浪花鑑』の市松で本名の片岡孝夫で初舞台。父の旗揚げした〈仁左衛門歌舞伎〉で演じた『女殺油地獄』の与兵衛が出世芸となる。1998年1・2月歌舞伎座『吉田屋』の伊左衛門、『助六曲輪初花桜(すけろくくるわのはつざくら)』の助六ほかで十五代目片岡仁左衛門を襲名。