歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



両肩いっぱいに広がる流れるような文様が上半身を華やかにみせ、顔映りを良くしてくれます。
典線の文様を中心から少し外すことで粋な印象に。帯締めの結び目に裏地の金色をさりげなくのぞかせることでアクセントをつけてみました。
 

 秋の訪れとともに、きものも軽やかな単衣からしっとりとした袷へ変わります。秋の装いで街へ出掛けて、秋めいた街の光景に華やかな彩りを添えましょう。今回は、たっぷりと秋を満喫できるコーディネートをご紹介します。

 まず、濃茶地にブルーの挿し色が映える蘭(らん)の模様をあしらった個性的な訪問着に重量感のある袋帯を二重太鼓にしてすっきりとまとめました。袋帯は、濃紫に金糸を入れて典線の模様があしらわれており、かっちりとしたボリューム感のあるものをセレクト。また、帯揚げ・帯締めは訪問着の地色に合わせて、同系色でシンプルなものを選び、きものの個性的な文様と帯の重量感をよりいっそう引き立たせるようにしました。

 こうした訪問着はあらゆる場所で利用できます。披露宴やレストランなど、最近では訪問先で椅子に座るシチュエーションが多くあると思います。今回のような大胆に両肩に文様をあしらった訪問着は、椅子に座っているときでも上半身を華やかにみせ、きものの優雅さをより際立ったものにしてくれることでしょう。

長沼静きもの学院

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