歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



個性的なきものには、髪のボリュームをちょっとだけおさえることで、主張しすぎず、大人っぽいスタイルに。
ショートヘアやボブスタイルも襟足をすっきりとまとめるだけで、より洗練された雰囲気に。前髪を立ち上げるだけでも印象は変わります。
 

 きもの姿で出掛ける機会が増えるこの季節、髪型やメイクもそれにふさわしい装いにしたいものです。今回は、知っておくと役立つきものに合った髪型やメイクをご紹介します。

 華やかな薔薇の文様の訪問着は、空海子(くみこ)先生の作品。胡蝶蘭の地模様や、花束をイメージした染帯など、作家の想いがあちこちに散りばめられたこのきものには、主張しすぎない髪型やメイクで全体のバランスを整えています。特に髪型は、全体的にボリュームを出して前髪をあげることで、明るい印象に仕上げています。

 川に花びらが流れている文様を描いた水色の付け下げは、中嶋剛司(なかじまつよし)先生の作品。全体的に落ち着いた雰囲気になるよう、ボブスタイルの髪型をタイトにまとめ、アップ風にアレンジしています。また、きものの色に合わせたアイシャドウが目元に涼しげな印象を与えてくれています。

 同じきものでも、着ている人の持つ雰囲気でその印象は様々に変化するものです。今回の撮影にあたり、着付を担当してくださった、長沼静きもの学院・シザブルスタッフの中田さんは、「お客様の持つ雰囲気を瞬時に判断して、着付ける楽しみ」を日々感じていられるそう。きもの姿のメイクや髪型も、その人の持つ雰囲気を活かすことを心がけたいものです。

長沼静きもの学院

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