披露宴のゲストにふさわしいきものといえば、訪問着や付け下げ、紋の入った色無地と、約束事としてはおおよそ決まっています。にも関わらず、「何を着て行ったらよいのか、悩んでしまう」との声もよく聞かれます。

　今回、モデルに登場していただいた大川美咲さんのお話を聞いて、その理由の一端が垣間見えました。大川さんは歌舞伎がお好きで、観劇の際にはきもので出かけられることもしばしば。きものにはかなり親しんでいらっしゃるわけですが、それでも、披露宴などの礼装となると、きもの選びに悩むことが少なくないらしいのです。

　「普段は、自分の楽しみできものを着ることがほとんどですから、ある程度、自分の好みを優先しても差し支えないと思うのです。けれど、礼装、ことに披露宴となると、何がその場面にふさわしいのか、わからなくなってしまって…。出席する宴によって雰囲気が違いますものね」

　同じ訪問着でも、「どのようなものを選べばその場に溶け込めるのか、考えてしまって…」。きもの姿には、着る人の心が表れるからこその悩みです。



　ひと口に披露宴といっても、場所、人数、出席者のプロフィールなどによって、その場の雰囲気は大きく変わります。せっかくハレの場できものを着るのだから、自分に似合うものをと思う一方で、どのようなきものなら、その場にさり気なくいられるかを知りたいと大川さんは言います。「オーダーメイドのように相談に乗ってくださる方がいたら、とても安心できるのですが」。

　そんなときに活用したいのがレンタルきものです。披露宴に向く多くの訪問着などが用意されていることもありますが、豊富な知識と経験を持つプロがいてくれることが何より頼りになります。

　きものだけでなく、小物選びやヘアメイクなどによっても着姿は大きく変わります。きもののレンタルを行っているところでは、その方が出席する披露宴の詳細をヒアリングし、その上で、きもの選びからヘアメイクまでトータルにアドバイスしてくれるところがあります。さらに、美しい着付までしてくれたら完璧。

　大切な友人、知人のお祝いの席、喜びの気持ちを上手に表現できるかどうかは、きもののすべてを知りつくしたプロに会えることが、成功の鍵かもしれません。