歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



着付が終わったら、衿元やおはしょり、帯締の位置などがその人の体に合っているか、チェックしてもらいます。あなたならここはもう少し高い位置に…という小さなひと言が、実はとってもためになるのです。初心者が注意すべき着付のポイントが、短い時間でわかります。

 

所作のレッスンの一つが、畳に座ってのお辞儀の仕方。洋服ではしたことがあるかもしれませんが、きものを着てとなると、勝手が違うはず。きもの姿だからこそ、背筋を伸ばすとさらに美しく見えること。「畳につく手は、畳の縁から2目ほどあけて左右の指を揃えましょう」。具体的なアドバイスだから、わかりやすい!

 

障子を開ける動きのレッスン。まず、左手を引手にかけ、ちょっと(まさにちょっと=一寸程度)隙間を開けたら、そのまま左手を差し込んで、もう少し開けます。次に右手で身体が入る程度の位置までスーッと開ける。知識としては知っていることも、実際に体験してみると、身体が覚えてくれるのです。

 
きものを着る楽しみを知る第1回目
 さあ、「秋のきものドレスアップ体験講座」1回目の開始です。この体験講座はだいたい4、5人のグループ、アットホームな雰囲気でレッスンがスタートします。まずは、年齢や体型に合わせて講師の選んだきものを着付けてもらいます。セレクトの基準はもちろん、「似合うものを探すこと」だそうです。

 きものにはきものならではの色合い、柄の美しさがあり、洋服選びに馴染んでいる目線では、自分に似合うきもの選びといっても難しいことでしょう。それよりも、1回目はきもの選びも着付もプロにおまかせ、とにかく“きものを着る体験”を楽しむことが第一になります。

 着付も、手際のよい着付を体感するだけ。そして、きっちりと補整して着るきものの着心地を、身体で知ってもらうことが目的です。自分で着付をする際のお手本を着心地でおぼえるという実地体験となります。

実地訓練は最上のレッスン
 綺麗に着付けたきもの姿で、いざお出かけ! 各校によって異なりますが、街歩きの行き先は気軽なカフェなど。まずは歩き方。階段の昇り降りもちょっとぎこちなかったりしますが、アドバイスに従ってやってみるとスムーズです。椅子の座り方、立つときの注意、カップを持つ手や、少し離れたところにあるものを取るときの袖のさばき方など、細かいポイントをアドバイスどおりやってみることで、どんどん身体がきものの動きをおぼえていきます。

 街歩きは、生きた教材――とプロは言います。実地訓練で得ることの多さは計り知れません。しかも、きものを着て街を歩くという楽しさ、醍醐味も存分に味わえます。楽しいからこそ身につくレッスンなのです。

じっくり教わるから身につくことも
 レッスンの2回目は着付から。この「秋のきものドレスアップ体験講座」が素晴らしいのは、基本的な着付の知識を学びながら着ることができるのです。腰紐ってなに? おはしょりってどれ? そんな状態でも大丈夫。初心者だからこそ知っておきたい基本情報を、実物を手にしながら教わることができます。

 皆さんの着付が仕上がったら、次はきものでのしぐさ、動きのレッスンです。畳に座るとき、お辞儀の角度、障子の開け閉め…。きもの姿で必須となるような基本をこれまた実践で教わります。2回目のレッスンが終わるころには、もうすっかりきものが身体になじんでいるのではないでしょうか。

 きものが着てみたい、でも何から手をつけていいかわからないという方、一度、長沼静きもの学院「秋のきものドレスアップ体験講座」を試してみてはいかがですか。

 

 

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