歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



古きよき時代にタイムスリップしたような桐生織塾。
貴重な銘仙コレクションのごく一部。昨今起こった銘仙ブームも手伝って、企画展には全国からファンが集まる。
門構えや叩き土間、板ガラス、囲炉裏など、昔の生活道具も今では貴重なものに。その場に着物姿でたたずむだけで絵になりそう。

古今東西に通じる桐生の絹織物

 時代の変化に即応し、消費者のニーズにいち早く応える気質の桐生で、昔の技術や道具の保存を手がけるのが桐生織塾。機織の職人として官営の繊維工業試験場に長く勤務し、群馬工業短期大学の講師なども勤めた武藤和夫さんが中心となり、古い織物道具類やサンプル資料、着物の収集と整理、技術の保存に努めている。

 建物は明治初期のもので、桐生で初めて会社組織の織物会社を始めた、青木一族の青木熊太郎氏の母屋。当時使われていた織物関係の道具だけでなく、階段箪笥などの生活道具も当時のままに保存、あるいは現在も使われている。全国各地から織物を学ぶ人が訪れ、武藤さんに教えを請うほか、昔の貴重な資料を見て創作のヒントを得たりしているそうだ。

 そうした資料の中で特に注目度が高いのは、膨大な銘仙コレクションだ。大正時代を中心に、鮮やかな色彩と斬新な柄で爆発的ブームになった銘仙は、愛用され着つぶされてしまったものも多いが、ここでは美しいまま着物としての姿を保っているものだけでも、目を見張るほどの数を保存している。この貴重な銘仙コレクションが見られるのは年に一度、桐生織塾で開かれる企画展のときのみ。今年はすでに終了しているので、来年の機会を待ちたい。

桐生織塾

住所

 : 

群馬県桐生市梅田町1-802

TEL

 : 

0277-32-0366

営業時間

 : 

平日10:00~17:00(来訪前に要電話)

HP

 : 

http://orijyuku.com/

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