歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



諏訪の文化を伝える建物を訪ねる
左/下社秋宮の参道にある苔泉亭の庭。 右/樹齢数十年、数百年の木々に囲まれ、すがすがしい空気が漂う諏訪大社。
荘厳な雰囲気を味わいたいなら、人出の少ない午前の早い時間がお勧め。
奥には二つの土蔵をいかした手打ちそばの店「萩月庵 千ひろ」がある。(苔泉亭)
大勢の人でにぎわった街の姿を今に伝える、古い建物の数々。 (右/片倉館)

 諏訪の、そして全国の善男善女が詣でる諏訪大社。「世俗」と「神様の御住まい」をわけるのは、聳え立つ大鳥居。荘厳な空気に満ちた境内に入ると、有名な御柱が見える。上社は御神体山、下社は御神木をお祀りしている。見どころは多々あり、例えば上社の本宮は「諏訪造り」と呼ばれる土地独特の建築術で建てられたもの。また春宮と秋宮に分かれた下社は、共に同じ図面を元に大工たちが腕を競い合った建物や彫り物がある。

 下社秋宮の参道にある苔泉亭は、江戸時代は呉服屋、昭和に入って郵便局、医院と変遷を遂げてきた旧家・塚越邸を再生したもの。諏訪大社の建築や彫り物を手がけた立川流の職人の手による欄間をはじめ、諏訪の旧家らしいたたずまいを残している。ギャラリースペースでは、地元のアーティストの作品を中心に展示しており、諏訪に栄える新旧の文化を楽しむことができる。 また諏訪を少し離れた岡谷には、明治から戦前にかけて生糸産業で街が沸いた名残が、そこかしこにある。街道筋には大きな酒屋や染め物屋の古い店構えや蔵が残り、生糸で財を成した人々が建てたモダンな建物も多い。そのひとつである片倉館は、地域住民の慰安のためにと、片倉財閥が作った入浴施設などが、今も現役で使われている。

 
諏訪大社 上社本宮
住所 長野県諏訪市中洲宮山1
TEL 0266-52-1919
HP http://park14.wakwak.com/systemheart/suwataisya/
 
苔泉亭
住所 長野県諏訪郡下諏訪町5531-1
TEL 0266-27-8861
開放時間 : 11:00~22:00
休業 水曜日
入館 無料
HP http://www.tamariya.org/taisentei/

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