諏訪湖畔に立つ温泉宿。大正の初めまでは多量の硫黄を含む湯が湧き出ており、その白色の湯の美しさが「鷺乃湯」の名の由来だとか。大正の震災を境に湯質が変化し、湯の色は白色から薄い茶褐色へ。現在の湯は、神経痛や肝臓病などに効果があるといわれている。広々した大浴場もさることながら、露天風呂付の部屋（室数7）や、庭園を眺めながら気軽に入れる足湯など、さまざまな形で温泉の魅力を満喫できるのが嬉しい。日本画家・池上秀畝を始めとした芸術家たちが残した品々に、90余年という創業からの歴史が感じられる。

ホテル鷺乃湯 住所  ：  長野県諏訪市湖岸通り3-2-14 TEL  ：  0266-52-0480(代) 料金  ：  12,000円（サービス料込・税金別）～/1名様あたり（5名1室利用の場合・１泊２食付） 展望露天風呂付客室28,350円（サービス料込・税金別）～/1名様あたり（5名1室利用の場合・１泊２食付） HP  ：  http://www.saginoyu.com

　東京出身の気鋭のシェフが「築地では手に入らない、信州ならではの食材」で創作するフランス料理の店。野趣あふれるジビエや、自然の苦味が美味しい野草など、素材の持ち味を十二分に活かしつつ、洗練された正統派のフレンチに仕上げている。地下には素晴らしいワインセラーがあり、料理や気分に合わせて最高の“相棒”が選べる。併設の3部屋しかない小さな宿に泊まって、心ゆくまで美酒と美食を楽しみたい。

　地元の特産品である天然作りの寒天と粒よりの十勝産の小豆を、楢薪を焚いた釜を使い、昔ながらの職人技で練り上げた羊羹。微妙な塩加減が甘さを引き立たせるだけでなく、小豆の味わいも引き出していて、なんとも奥深い美味しさ。最初に感じる塩の旨味とその後に感じる甘味の絶妙なバランスは、甘党はもちろん左党をも魅了する。しっとりとやわらかな口当たりも心地よく、つい「もう一切れ」と手が伸びてしまいそう。