江戸時代は藩の御用港として、御一新後も北前船の寄港地として繁栄を続けた鯵ヶ沢。往時の賑わいと華やかさを再現した大正建築風のホテル「グランメール山海荘」は、日本海を臨む高台にある。大正モダンを意識したレトロな雰囲気と、昔ながらの和風旅館の良さを併せ持つ、居心地の良いホテルだ。日本海の水平線に沈む太陽を眺めながら、おいしいコーヒーが楽しめる喫茶ラウンジや、フランスから取り寄せた海草パックとオールハンドの施術が自慢のエステティックルームなどもあり、ゆったり旅の疲れを癒してくれる。

　地元の深浦漁港で獲れた、新鮮な魚介類を食べるならここだと、地元の人が太鼓判を押す店。素材の持ち味を最大限に活かし、シンプルに仕上げた「うに丼」、また刺身や煮魚など旬の魚を一番美味しい形で出す「おすすめ定食」は、おしゃべりを忘れ一気に食べてしまうほどの美味しさだ。青森でマグロといえば大間が有名だが、「漁獲高では深浦が上。味だってね！」と、おかみさんが自慢するマグロも大人気。訪れる日に、何が入荷しているかを楽しみにして出かけたい。

　鯵ヶ沢で創業80年という老舗の和菓子屋。白神山地の流れを集めた赤石川で育つ鮎をイメージした「金のあゆ最中」は、サクサクとした最中の皮に抹茶餡を詰めたかわいい銘菓だ。ほどよい甘味とともに、皮のサクサク感と餡の柔らかさ、そして餡の中にちりばめられた小豆粒の歯ざわりが、食感の違いで美味しさをさらに増してくれる。鯵ヶ沢駅売店でも人気の「じんく餅」や、本店にしかない洋菓子も美味。甘い物好きにはたまらない。