江戸時代は藩の御用港として、御一新後も北前船の寄港地として繁栄を続けた鯵ヶ沢。往時の賑わいと華やかさを再現した大正建築風のホテル「グランメール山 海荘」は、日本海を臨む高台にある。大正モダンを意識したレトロな雰囲気と、昔ながらの和風旅館の良さを併せ持つ、居心地の良いホテルだ。日本海の水平線 に沈む太陽を眺めながら、おいしいコーヒーが楽しめる喫茶ラウンジや、フランスから取り寄せた海草パックとオールハンドの施術が自慢のエステティックルー ムなどもあり、ゆったり旅の疲れを癒してくれる。

　白神山地の山の幸と津軽海岸の海の幸を生かした、昔ながらの郷土料理。地元の食材の美味しさを知り尽くした「白神地産地消の会」が提供している。タイやメバル、サザエにアワビ、アンコウ、ハタハタ、サクラマスなど、数え上げればきりがないほど豊富な魚介類を、その時一番美味しい食べ方で調理。名物のミズをはじめとしたネマガリタケなどの山菜や、サモダシやマイタケなどのキノコ類も、その時期だけの貴重な白神の味が楽しめる。

　西暦807年（大同二年）に、蝦夷東征に向かう坂上田村麻呂が、厩戸皇子作の十一面観世音菩薩を安置し、観音堂を建立したことから始まったとされるお寺。田村麻呂が兜の中に納めていたと伝えられる影顕石守仏が、今も保存されている。航海の安全を祈り、北前船の船主たちが奉納した船絵馬や、二十六世義観阿闍梨の偉業を伝える毛髪刺繍八相釈尊涅槃図など、この地の歴史を知る手がかりである貴重な寺宝が展示されている。