歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



日光の自然に抱かれて生まれる、新しい世界への扉
その向こうに素敵なものの存在を予感させる扉たち(幾何楽堂)。
左上:幾何楽堂の居心地の良いリビングスペース。
右上・左中・右中:小坂さんの作品の数々。それぞれに味わい深い。
左下:幾何楽堂のマーク。「デザインはすべて○△□とねじれ」という小坂さんの考えを凝縮したもの。
右下:創作扉作家・小坂憲正さん。扉だけでなく、内装まで手掛ける空間プロデューサーでもある。
 

 「扉は何かを隔てるものじゃない。新しい世界への入り口なんです」
 そう語るのは創作扉作家の小坂憲正さん。流木や古木を中心に、陶器や鉄などを自由な発想で組み込んで創られる小坂さんの扉は、なるほど「この向こうになにがあるのだろう?」と、思わず開けてみたくなる。
 小坂さんのアトリエ兼住まいである幾何楽堂は、霧降高原の中の静かな斜面に建つログハウス。もちろん扉は、小坂さんの作品だ。真ん中から半回転してお出迎え! ちょっとした“からくり屋敷”のような遊びに、「ゲストに楽しんでほしい」という小坂さんの想いがうかがえる。
「その方が扉にどういう想いを抱いているのか、それをどんな扉にしていくかが大事。素材にする木は、使う人が『どんな表情で人を迎えたいか』に一番合っていると、僕が感じたものを選びます。デザイン画はほとんど描きません。木を触りながら創っているうちに出来てくるので」
 作業場はログハウスわき、屋根があるだけのスペース。すぐそばまで鹿が見物に来ることもあるそうだ。
「この日光の、空気がすごくいいんです。オーダーに来た方もくつろいで、いろいろ話してくださる。そこに創作のヒントも生まれる。『ああ、ここだから、この作品創りが出来るんだな』と感じますね」

幾何楽堂
住所 栃木県日光市所野1543-332
TEL 0288-50-1066
HP http://www18.ocn.ne.jp/
~kosaka3/index.htm

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