公演情報詳細
秀山祭九月大歌舞伎 |
当公演は終了いたしました。
2019年9月1日(日)~25日(水)
劇場:歌舞伎座
演目と配役
昼の部
河竹黙阿弥 作
一、極付幡随長兵衛(きわめつきばんずいちょうべえ)
「公平法問諍」
幡随院長兵衛 水野十郎左衛門 渡辺綱九郎 近藤登之助 出尻清兵衛 坂田公平 伊予守頼義 舞台番新吉 慢容上人 子分神田弥吉 子分雷重五郎 子分極楽十三 坂田金左衛門 唐犬権兵衛 長兵衛女房お時 | 幸四郎 松緑 松江 坂東亀蔵 歌昇 種之助 児太郎 吉之丞 橘三郎 ※ 廣松 廣太郎 宗之助 錦吾 錦之助 雀右衛門 |
二、お祭り(おまつり)
鳶頭 芸者 芸者 | 梅玉 梅枝 魁春 |
三世中村歌六 百回忌追善狂言
伊賀越道中双六
三、沼津(ぬまづ)
呉服屋十兵衛 平作娘お米 池添孫八 旅人夫 旅人女房 旅人倅 茶屋娘おくる 荷持安兵衛 雲助平作 | 吉右衛門 雀右衛門 錦之助 歌昇 種之助 初お目見得 小川綜真 (歌昇長男) 米吉 又五郎 歌六 |
夜の部
菅原伝授手習鑑
一、寺子屋(てらこや)
松王丸 園生の前 千代 戸浪 涎くり与太郎 菅秀才 百姓吾作 春藤玄蕃 武部源蔵 | 吉右衛門 福助 菊之助 児太郎 鷹之資 丑之助 橘三郎 又五郎 幸四郎 |
二、歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)
武蔵坊弁慶 源義経 亀井六郎 片岡八郎 駿河次郎 常陸坊海尊 富樫左衛門 | 仁左衛門(奇数日) 幸四郎(偶数日) 孝太郎 坂東亀蔵 萬太郎 千之助 錦吾 幸四郎(奇数日) 錦之助(偶数日) |
三世中村歌六 百回忌追善狂言
三、秀山十種の内 松浦の太鼓(まつうらのたいこ)
松浦鎮信 大高源吾 鵜飼左司馬 江川文太夫 渕部市右衛門 里見幾之亟 お縫 宝井其角 | 歌六 又五郎 歌昇 種之助 鷹之資 吉之丞 米吉 東蔵 |
みどころ
昼の部
一、極付幡随長兵衛(きわめつきばんずいちょうべえ)
江戸の男伊達、長兵衛の生き様
大勢の客で賑わう江戸村山座。「公平法問諍(きんぴらほうもんあらそい)」が演じられる舞台に乱入した男を、江戸随一の俠客、幡随院長兵衛が追い払います。その様子を見ていた旗本の水野十郎左衛門が長兵衛を呼び止めると、その場は一触即発の事態に。騒動の後、浅草花川戸の家に水野からの使者がやってくると、長兵衛はその誘いが計略と悟りながらも水野邸へ赴きます…。
江戸の俠客として知られる幡随院長兵衛をとり上げた、人気の高い作品です。河竹黙阿弥の名作をご堪能いただきます。
二、お祭り(おまつり)
粋な江戸情緒を賑やかに、華やかに
江戸っ子が集う山王祭。年に一度の大祭に、江戸の町は浮き立っています。屋台囃子が聞こえるなか、鳶頭と芸者がほろ酔い気分で賑やかに舞い踊ります。
江戸の大祭を舞台に、派手でいなせな鳶頭と、晴れ姿の芸者が祭りを楽しむ、粋な風情あふれる清元の華やかな舞踊をお楽しみいただきます。
三、沼津(ぬまづ)
情愛と義理の間、哀切を極める親子の物語
東海道を旅する呉服屋十兵衛は、沼津のはずれで雲助の平作と出会います。年老いた平作から頼み込まれ、荷物を持たせますが、その足元はおぼつかない様子。道を急ぐ十兵衛でしたが、平作の娘お米にひと目惚れをし、家に立ち寄ることにします。その夜、平作とお米の話を聞いた十兵衛は、驚くべき事実に気づき…。
時代物の名作『伊賀越道中双六』の中でも、親子の情愛や心の機微が細やかに描かれ、繰り返し上演される人気の場面です。初代中村吉右衛門の父、名優三世中村歌六追善のひと幕をお楽しみください。
夜の部
一、寺子屋(てらこや)
忠義のはざまに揺れ動く心
寺子屋を営む武部源蔵と戸浪夫婦は、菅丞相の子、菅秀才を我が子と偽り秘かに匿っています。しかし、そのことが発覚すると、苦悩の末に、寺入りしたばかりの子どもの首を身替りにして差し出すことを決意します。首の検分役に現れたのは、菅秀才の顔を知る松王丸。その首をあらためた松王丸は…。
忠義を尽くす松王丸の「首実検」の場面は、最大の見せ場で緊迫した空気のなか、複雑な心情を描き出します。味わい深い義太夫狂言の代表作をご堪能ください。
二、歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)
主君を守る弁慶の覚悟
兄頼朝と不和になり、都を落ち行く義経は、武蔵坊弁慶らとともに姿を変えて奥州平泉を目指します。その道中、一行は義経を捕らえるため幕府が設けた加賀国安宅の関で、関守富樫左衛門の詮議を受けます。弁慶は機転を利かせ、自分たちを東大寺建立のための勧進の山伏と名乗ります。しかし、富樫はそれを証明するために、寺建立の寄付を募る帳面「勧進帳」を読むように命じます。窮地に立たされた弁慶は…。
歌舞伎十八番のなかでも屈指の人気演目を、日替わりの配役でお楽しみいただきます。
三、秀山十種の内 松浦の太鼓(まつうらのたいこ)
忠臣蔵外伝物の中でも屈指の名作
師走の両国橋で、俳人の宝井其角と赤穂浪士の大高源吾が再会すると、源吾は其角の句に続けて「明日待たるゝその宝船」と句を残し、立ち去ります。翌日、松浦鎮信の屋敷で催されている句会では、赤穂浪士が未だに仇討ちを果たさないことに業を煮やす松浦侯が、源吾の妹お縫に辛くあたる始末。そこで其角が源吾の残した句を伝えると、松浦侯はその句の真意を察し…。
初代吉右衛門が得意とした作品を集めた家の芸、秀山十種のひとつで、赤穂浪士の吉良邸討入りの前日から当日を描いた作品です。この演目を初演した三世歌六の追善狂言として、ご堪能ください。
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