ニュース
清水寺で「三月花形歌舞伎」成功祈願
3月1日(日)、京都四條南座「三月花形歌舞伎」出演者が、清水寺で公演の成功祈願を行いました。
▼
3日(火)に初日を迎える 「三月花形歌舞伎」に出演の尾上松也、中村歌昇、坂東巳之助、尾上右近、中村種之助、中村米吉、中村隼人の七人が、日曜日の清水寺に現れると、観光客の皆さんはびっくり。記念にとカメラを向けたり、声援を送ったりと、賑やかな観光名所がいっそう沸き立ちました。
七人は清水寺門前会の皆さんと一緒に清水坂を上りながら、軒を連ねるお店の方々にも「ぜひ南座へ観に来てください」と呼びかけ、公演をアピール。屋号のかけ声もかかる中、ようやく仁王門に到着すると、番傘を手に、白浪五人男ならぬ“花形七人男”でビシッと決めました。当日は、雲の絶間姫が竜神を解き放ったかのような雨でしたが、本堂で公演の成功を祈願したのちは、清水の舞台にも立ち、開幕に向けて意欲を新たにしました。
「南座の向かいには昔、北座もあり、芝居どころであった場所。歴史ある劇場で、僕らの世代で1カ月公演をさせていただけることは本当に光栄だと思っております。チャンスを活かして全力で1カ月、出演者一同、走り抜けたいなと思っております」と、松也が意気込み、歌昇も、「南座での歌昇襲名からパワーアップした姿をぜひ皆様に見ていただきたいと思っています。七人全員、一丸となって今でしかできない舞台を、自分たちも楽しみながら、お客様に楽しんでいただけるよう一所懸命勤めます」と、語りました。
巳之助は雨に濡れながらも、「毎年の12月の顔見世興行には未参加でございますが、昨年の3月に続いて2度目の南座出演。京都の皆様に顔だけでも覚えていただけるように、この“水もしたたるいい男たち”と一緒に舞台ができるのをうれしく思っております」。
右近は、「今日、参道で皆様にお目にかかって、楽しみにしています、見に行きますと言っていただきました。お客様は神様。そしてご本尊にお参りもして、神仏を味方にいたしました。あとは、一所懸命やるだけでございます」と、意欲を見せました。
種之助は、「南座は3度目の出演ですが、父と兄の襲名以来でございます。諸先輩方の芸には遠く及ばず、とうてい未熟な芸だとは思いますが、今しかできない舞台を皆で勤めたいと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます」。米吉は強く降り出した雨空を仰ぎ、「2度目の南座出演ですので、皆様に顔を覚えていただきたいと思っております。雲の絶間姫という大役を演じる身として、この雨はうれしいのかもしれませんが、こんな雨を降らせられるよう、南座の舞台で精一杯、その大役を勤めたい」。
隼人も「南座は3回目の出演、3年前の前回は大先輩方がいっぱいいらっしゃったんですが、今回は浅草歌舞伎の若手メンバーと右近さんで京都に来ることができたので、皆で力を合わせ、存分にその力を発揮して勤めていきたいと思っております」と語り、七人それぞれが、若手中心で南座の舞台を開けることについて、内に秘めた決意や喜び、期待といったさまざまな思いを再確認した成功祈願となりました。
▼
京都四條南座「三月花形歌舞伎」は、3日(火)初日、27日(金)までの公演で、チケットは、チケットWeb松竹、チケットホン松竹にて販売中です。