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愛之助『GOEMON』初日に向けて
10月3日(金)に初日を迎える、大阪松竹座 「十月大歌舞伎」に出演の片岡愛之助が、『GOEMON』開幕に向けての意気込みを語りました。
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楽しみな共演者の活躍
「萬次郎さんの出演がうれしいですね。これまであまり共演がなかったのですが、いろいろな面をお持ちで、素晴らしい俳優さんだなと思っていたので」と、『GOEMON』初登場となる萬次郎の出演を喜んだ愛之助。続けて、「翫雀にいさんの出演には驚きました。上方の大切な名跡を復活される襲名披露を控え、お忙しい時期に出演してくださる。私もこういう大人にならないといけないなと」、その懐の深さを見習いたいと話しました。
「素敵な先輩方に支えられての舞台です」と感激の面持ちの愛之助ですが、翫雀の豊臣秀吉が阿国を口説いているところに、萬次郎の北政所が乗込んでくる一場もあり、「お二人にたっぷりやっていただいて…」と、愛之助自身が誰よりもその芝居を楽しみにしている様子がうかがえました。
若手の成長、今井翼との共演
一方、壱太郎、種之助、吉太朗といった若手も『GOEMON』ではおおいに活躍が期待されます。「吉太朗君が前回は五右衛門の幼少時代の友市を演じていましたが、大きいし、もう子役ではないなと、今回は大人の役(石田三成)をやります」。代わって友市役は、NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』で官兵衛の子ども時代を演じた若山輝人と、ミュージカル『ライオンキング』でヤング・シンバを演じた菊田千瑛が、ダブルキャストで勤めます。
「初めてご覧になる方には、若手がきらきら光っているところをぜひ、ご覧いただきたいです。あ、私も若手なのできらきらしていますので(笑)、よろしくお願いします」とアピール、自身が勤める五右衛門については、イメージを損なわずに「明るい五右衛門に」したいと語りました。そして、若手のなかでもことに、「上方で役者が育ってきていることがすごくうれしい」と、壱太郎や吉太朗の成長ぶりが「頼もしい」と目を細めました。
話題になっているカルデロン神父役の今井翼との共演については、「前回のお話のままだと、五右衛門とその父のカルデロンの共演場面がないので、阿国も合わせて3人のフラメンコシーンができないかとやっているところです。初演から3回目のフラメンコ。上達したかどうか、ぜひ劇場に確かめに来てください」とご来場を呼びかけ、今井への掛け声について聞かれると、「本人に希望を聞いておきます」と答えていました。
ここでしか観られない芝居
『GOEMON』 の魅力はなんといっても「ここでしか見られないストーリーの面白さ」と断言した愛之助。出雲の阿国と五右衛門が恋仲だったり、名古屋山三と五右衛門の鞘当(さやあて)といった「ありえない話」。さらに、『楼門(さんもん)』の「絶景かな、絶景かな」のせりふや葛篭(つづら)抜けといった歌舞伎を観ている人にはお馴染みの場面のパロディー。そして、石田局のはかない最期や神父と友市、父子の悲しい別れといったドラマ…。
「エッジの効いた芝居をつくりたい。退屈なところがあることによって面白いところが際立つということがありますが、問題はその退屈なところをどうつくるか。そうして観ているうちに“もう終わっちゃったの?”と思わせ、“もう一回来たい!”芝居づくりを心がけています」。メリハリをきかせてわかりやすく楽しく、そのためには「命がけで、120%で頑張りますが」、芝居としては腹八分目にしてもっと観たくなるようにすること、それが理想です。
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大阪松竹座 「十月大歌舞伎」は、10月3日(金)~27日(月)の公演で、チケットは、チケットWeb松竹、チケットホン松竹にて販売中です。