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大阪松竹座で「平成28年熊本地震チャリティー公開舞台稽古」開催
7月1日(金)、大阪松竹座で「平成28年熊本地震チャリティー公開舞台稽古」が行われました。
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大阪松竹座は3日(日)より「中村芝雀改め五代目中村雀右衛門襲名披露 七月大歌舞伎 関西・歌舞伎を愛する会 第二十五回」が開幕します。その昼の部で上演される『与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)』の、総ざらいの稽古をお客様にご覧いただき、入場料を義援金として熊本県へ寄付させていただこうというチャリティーイベントが開かれました。12時の開場とともに、客席の2階、3階にはいっぱいのお客様がお越しになり、1階に出演者や裏方が集まって稽古が始まりました。
初めに、仁左衛門より、お集まりのお客様への挨拶がありました。「初役の人もいるし、まだ探りあいながらのところもあります。皆様からご覧になったら失敗もあるかもしれませんが、僕たちは一所懸命やっています。皆様はいらっしゃらないものとして稽古をしますので、ご協力をお願いします」。
「単に興味だけではなく、チャリティーに参加しているという気持ちでご覧ください。雀右衛門さんの襲名ご披露の狂言でございますので、襲名されるご本人は紋付袴姿でお稽古をします。そういうところは珍しいところなので、ぜひ見ていただければと思います」と、お客様とともにこのチャリティーを成功させようという、仁左衛門の心が伝わる挨拶となりました。
雀右衛門以外の俳優は稽古着で、鬘(かつら)や衣裳はなし、素顔のまま。上演舞台と同じように進むところもあれば、変更したりやり直したりして調整するところもあります。いつもと同じ稽古の様子をつぶさにご覧いただくのが今回の趣旨で、お客様もまず目にすることのない歌舞伎の稽古風景から、目が離せないといったご様子でした。
3時間近い稽古が終わり、再び仁左衛門が「本日はありがとうございました。本公演では一人10人ずつ、新しい方を誘ってきてください!」と呼びかけて、大きな拍手を浴びました。歌六は「今日は初役でお見苦しいところをお見せしましたが、大勢の方にお越しいただき、チャリティーができてよかったです。初日には立派に勤めたいと思います」と、少し照れながらの挨拶。
雀右衛門は「どうもありがとうございました。これからも続きますので、どうぞよろしくお願いいたします」と、いつものにこやかな笑顔でお礼を述べました。最後に、「私も初役で、普段の稽古ではまったく緊張しないのですが、こうやってお客様を前にすると緊張してしまい、せりふを忘れてしまいました」と明かした梅玉が、ご来場のお客様への感謝とともに、義援金の報告をし、出演者一同があらためてお客様へ感謝して幕となりました。全額が熊本県を通じ、平成28年熊本地震義援金として被災地に寄付されます。
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大阪松竹座「七月大歌舞伎」は7月3日(日)に初日を迎え、27日(水)まで公演。チケットは、チケットWeb松竹、チケットWeb松竹スマートフォンサイト、チケットホン松竹にて販売中です。