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大阪松竹座で古式ゆかしき「船乗り込み」
大阪松竹座では、7月3日(土)から27日(火)まで、「関西・歌舞伎を愛する会 結成三十周年記念公演 七月大歌舞伎」が上演されます。公演に先立ち6月29日(火)、出演する俳優らが参加し、恒例の「船乗り込み」がおこなわれました。
「船乗り込み」の歴史は古く江戸時代にさかのぼります。当時は京都や江戸から役者や一座が大坂へ到着する際に行われていた儀式でしたが、一時途絶えていました。それが、「関西・歌舞伎を愛する会」の前身である「関西で歌舞伎を育てる会」の第一回公演「五月大歌舞伎」が昭和54年に道頓堀朝日座で開催されるにあたり、歌舞伎公演を一般市民にPRするイベントを、と55年ぶりに船乗り込みが復活しました。今では七月大歌舞伎公演前の古式ゆかしき恒例行事、また大阪の初夏の風物詩として広く知れ渡っています。
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午後3時、天満橋の八軒家浜船着場で行われた式典では、片岡仁左衛門が挨拶。「関西・歌舞伎を愛する会結成三十周年記念の公演に出演できます事、大変嬉しく思っております。毎年お客様が増えてくださって本当に感無量でございます。歌舞伎は古い物では決してございません。新しい感動を皆様に与えていきたいと思っております。こうして皆様の前でお話しさせていただくのも嬉しいのですが、やはり客席が一杯というのが一番嬉しゅうございます。ぜひぜひお誘い合わせの上、皆様劇場へお越し下さいますようお願いいたします。」
式典が終わると、一行は船に乗りこみ八軒家浜を出発。川が運ぶ涼しい風の中、「松嶋屋!」「高島屋!」「成駒屋!」「高麗屋!」とファンからの大きな声援が響くと、俳優たちは手を振って応えていました。
約40分かけて戎橋に到着すると口上が読み上げられ、俳優の名が呼ばれるたびに大きな声援がおこりました。続いて場所を移動して大阪松竹座前でのセレモニー。詰めかけた大勢のお客様の前で、仁左衛門は「この大阪で歌舞伎がますます栄えますように、皆様のお力添えをお願いいたします。私たちも一所懸命に皆様のご期待を裏切らないような舞台を勤めますので、どうかぜひ劇場に足をお運び下さい。」と挨拶。その後"鏡開き"、"撒き手ぬぐい"がおこなわれ、大変な盛り上がりをみせる中、最後は仁左衛門による大阪締めで賑々しく終了となりました。
「関西・歌舞伎を愛する会結成三十周年記念 七月大歌舞伎」公演情報はこちらをご覧下さい。