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「赤坂大歌舞伎」が6日開幕

「赤坂大歌舞伎」が6日開幕

 前列左より、片岡亀蔵、中村勘九郎、蓬莱竜太(作・演出)、中村七之助/後列左より、中村いてう、市川猿弥、中村亀鶴、中村鶴松

 

 

 4月6日(木)のTBS赤坂ACTシアター「赤坂大歌舞伎」が初日開幕を前に、舞台稽古の一部が公開され、出演者が初日への意気込みを語りました。

 勘九郎が、「念願かない、蓬莱さんに作・演出をしていただき、すごく充実した稽古期間が過ごせたと思います」と言うと、七之助も、「稽古を積み、自信を持って初日を迎えられると思います」と続け、濃密な時間からこの新作歌舞伎が生まれようとしていることを感じさせました。

 

新しい歌舞伎、お客様の反応が知りたい

 「見終わってからのお客様の反応が何よりも楽しみ」「早く感想が聞きたい」と言ったのは亀蔵と猿弥。これまでにない新作歌舞伎を予感させる言葉に、亀鶴も「蓬莱さんが2作、3作とつくってくれるようになるお客様の反応を、起こさせるつもりです」と、意気込みも新たに続けました。鶴松は「静という大きな役が本当にうれしい」、いてうは「どきどきが止まらない」と、初日を前に率直な気持ちを述べるとともに「一所懸命頑張ります」と決意のほどを示しました。

 

 「新鮮に歌舞伎をやらせていただき、歌舞伎と思ってつくった」という蓬莱は、「歌舞伎俳優さんたちが新しい歌舞伎だねと言ってくれたので、新しいのかなと。演劇人が歌舞伎の面白さを堪能でき、歌舞伎の人は演劇の面白さを味わえる。この融合は見もの」と、自信をのぞかせます。

 

 さらに勘九郎が、脚本の素晴らしさに加え、「松井るみさんの美術がこの世界に合っている。せりふを耳で、装置を目で楽しめる、演劇としてすごく完成度の高い作品になるのではないか」と言うと、七之助も自分が客として見ても、「とても好きな舞台の一つになるであろう作品」と、二人ともに作品に大きな期待を寄せました。 

 

これまでの歌舞伎になかった化学反応

 好きな女、歌のために転生を繰り返す男、太郎。詳細や結末は舞台を見てのお楽しみですが、数々の新作歌舞伎の誕生に立ち会った勘九郎も驚いたのが、ピアノと切り絵の効果です。「稽古場ではピアノに引っ張られ、感情移入しすぎてしまいました。こんなに歌舞伎の物語とピアノが合うんだとびっくり」。美術のモチーフとなった切り絵については、「可愛くてはかなげで切ない。装置が説明をしていないので、お客様一人ひとりの思いが乗せられるんです」。そこも、お客様の反応が楽しみなところの一つなのでしょう。

 

 新しさは女性の描き方にも表れているようです。歌を演じる七之助は、「歌舞伎の女方では心の中をバンと外に出すクドキは、義太夫に振り事をしますが、今回はストレートに自分が思っている感情を出せます。発散させるという面では、厚みを出さないといけません。歌は表面的にはとてもいい人ですけど、心には普遍的で、なくてはならない感情がずっとうごめいている人だと、僕は思っています」と語り、いっそう舞台への期待を高めました。

 

 新しいこととしてもう一つ、「僕たち四人(勘九郎、猿弥、鶴松、いてう)は12歳から演じるんです。大人になってから子どもを演じるのは、なかなかやったことがありません。そこもお楽しみに」と続けたのが勘九郎。子どもから大人への演技だけでなく、同じ衣裳でも丈を調整したり、鬘(かつら)を変えたりして年月の流れを表現する手法にも注目したいところです。みどころ満載の『夢幻恋双紙 赤目の転生』、物語の結末はぜひ劇場でお確かめください。

 TBS赤坂ACTシアター「赤坂大歌舞伎」は、4月6日(木)より25日(火)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットWeb松竹スマートフォンサイトチケットホン松竹ACTオンラインチケットほかで販売中です。

 

※蓬莱竜太の「蓬」は、正しくはしんにょうの点が1つです。

2017/04/06