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幸四郎『アマデウス』開幕を前に

 9月24日(日)、東京 サンシャイン劇場で舞台『アマデウス』が初日を迎え、演出・主演の松本幸四郎が開幕に向けてのコメントを寄せました。

 6年ぶりに帰ってきた幸四郎サリエーリ。モーツァルト役の桐山照史、コンスタンツェ役の大和田美帆、フレッシュな二人を相手に、東京、大阪、久留米と続く公演で、初日前日には公開舞台稽古が行われました。

 

 地位と名声を手にしながらも若く才能豊かなモーツァルトに嫉妬する宮廷作曲家サリエーリとして、神と契約を交わす一人の人間サリエーリとして、その心の内を吐露するせりふは、冒頭から怒涛のように流れ出し、幸四郎が圧倒的な力で心を打つ数々の名せりふを観客に響かせます。休憩をはさんで3時間弱、サリエーリは自在に時間と場所を行き来しながら物語を引っ張ります。

 

 製作発表会見では、台本の読み合わせで挫折したと明かしていた桐山ですが、登場から天衣無縫のモーツァルトとして、おしゃべりをやめられない子どものように、とめどなく言葉をあふれさせ、第二幕ではそれとは対照的な人生の一面も見せました。「稽古があっという間と感じるくらい、充実した時間を過ごさせていただきました。今は桐山照史が演じるモーツァルトを、自信を持って皆様に届けたいと思います」と、初日に向けてコメントを寄せました。

 

 そんな二人を相手に大和田は、感情豊かなコンスタンツェの、シーンごとに異なる側面を的確に描き出しました。「人間の欲深さ、だからこそ見えてくる愛おしさ、そこに垣間見える滑稽さ。たくさんの人間らしさが詰まった作品です。精いっぱいコンスタンツェを生きたいと思います」とコメントし、「この作品に関われることは、今後の役者人生の大きなターニングポイントになると思っています」と、意気込みのほどを感じさせました。

 「いっぱい笑って、いっぱい泣いて、いっぱい考える。そんな時間を過ごしていただけるように、“最高のカンパニー”一丸となって頑張ります」(桐山)、「劇場に来ることを楽しみにしていらっしゃるお客様と、稽古を確かに重ねてお客様にお見せすることを楽しみにしているキャストスタッフとの、劇場での待ち合わせの約束が果たされる瞬間は、この上ない喜びで満たされることでしょう」(大和田)。その舞台の幕が上がります。

 

 『アマデウス』東京公演は、サンシャイン劇場で9月24日(日)から10月9日(月・祝)まで上演。その後、大阪、久留米と公演が続きます。ぜひ、お近くの劇場へ足をお運びください。

 

松本幸四郎の初日に向けてのコメント

 幸四郎を襲名して初めての現代劇『アマデウス』が、35年を経て場所も同じサンシャイン劇場で、幸四郎として最後の『アマデウス』の初日を迎えられますこと、本当に感無量の思いです。一回一回の舞台を大切に、千穐楽まで一所懸命勤めたいと思います。『アマデウス』に足をお運びくださったお客さま方、また幸四郎として36年間お世話になった方々に心からの感謝の気持ちを捧げたいと思います。本当に長い間ありがとうございました。

 

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2017/09/23