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鴈治郎、扇雀が語る大阪松竹座「壽初春大歌舞伎」

鴈治郎、扇雀が語る大阪松竹座「壽初春大歌舞伎」

 2019年1月2日(水)から始まる大阪松竹座「壽初春大歌舞伎」に出演の中村鴈治郎、中村扇雀が、公演への思いと出演演目について語りました。

 京都での顔見世に続く正月の大阪。「ふた月関西でできることが定着してきているのがうれしい。12月31日はうちの父(藤十郎)の誕生日なので皆でお祝いし、久々に家族そろったまま残って正月を迎えられる」と鴈治郎。扇雀も「昼の部は“成駒家祭り”。親父は山城屋ですけれどね。初春にこういう公演ができることに感謝しています」と喜びを表しました。

 

最高の『土屋主税』をお見せする

 成駒家祭りの1本目は、玩辞楼十二曲の内『土屋主税(つちやちから)』です。「初代さん(曾祖父初世鴈治郎)は、これが一番好きだったんじゃないかな。毎回つくり直して、自分の気持ちいいように変えていったんだと思うんです。だから、最高に気持ちいい役」。扇雀は5年前の博多座で、その土屋を初役で勤めたとき、千穐楽に起こったカーテンコールの感動を思い起こしていました。

 

 「土屋自身がそうありたいと思っていた、武士として筋を通す生き方を、浅野の家臣が目の前で見せてくれた。幕切れのせりふは、大石内蔵助に共感して、武士として生きる喜びを体中から発散させます。土屋が言っていることが、気持ちよくお客様の胸に入っていくようなせりふ術、言葉の押し方が大事」

 

 初役の折に舞台上で句を書いた短冊を読み返したりして、すでに役づくりも進めています。「今日はこう書こうと句を準備したりもしますが、案外、舞台の上で浮かぶんです。お正月ですから、めでたい句を、雪景色に父とか曾お祖父さん、お祖父さんのイメージを思い描きながら書こうかな」と、気合十分な様子を見せ、「今、僕ができる最高の土屋になると思います」と、舞台をおおいに期待させました。

 

鴈治郎、扇雀が語る大阪松竹座「壽初春大歌舞伎」

父の米寿を家族全員で寿ぐ大阪の正月

 続いては、「父と私たち二人と息子たち、三代で」みせる、坂田藤十郎米寿記念『寿栄藤末廣(さかえことほぐふじのすえひろ)』。鴈治郎は父の藤十郎について、「舞台に立つとがらっと変わる。そして、驚くのが白粉が合うこと。私が27年後にこうしていられるかなと」。健康で、ともに舞台に立てることのうれしさを本人はもちろん、「家族全員がつくづく感じることになると思います」。

 

鴈治郎、扇雀が語る大阪松竹座「壽初春大歌舞伎」

 今月も南座の『新口村』で共演している扇雀は、「そこに忠兵衛がいます。その人間でその場所にいるんです。しみついた体の使い方、たたずまいや体のこなし、足のさばき。何があっても、その人物でいるのでまったく問題がない。芸を重ねて年を重ねるということは、そういうことだと思います」と実感を込めました。そして、「同じ空間で同じ空気を吸うと、引き込まれていく。こういう経験も父が健在でいてくれるから。父にはいろいろなものを後輩に与えていってほしい」と願いました。

 

もう一つの玩辞楼十二曲は『河庄』

 「実は、大阪でひと月通しての『河庄』は初めてなんです。やりたいという思いがずっとあり、大阪で、という意識はすごく強い」と、熱っぽく語った鴈治郎。「襲名披露のときに父に見てもらい、もう自分のものでやったらいい」と言われていますが、目に残るのは父や祖父、二世鴈治郎で、「それを意識しなくてもできるところがあったり、わざと意識して変えるところもあったり。流れとしていい意味で、自分のものにできたらいいなと思っております」。

 

 鴈治郎となって3度目の治兵衛ですが、「幕切れは工夫のしどころが多く、初代さんが羽織を被ったりしてみたのもわかる気がします。なにかしたくなるというか、気持ちのもって行き方というか。小春の心の底が見えていないで、一人いじいじしながら幕が切れてしまうわけですからね。小春の顔を見るときの小春の表情ひとつでもずいぶん変わるんでしょうけれど」。頬かむりの中に日本一の顔、という初世鴈治郎を詠んだ句碑が建つほど、がんじろはんといえばやはり治兵衛。こだわりは四代目にしっかり受け継がれていました。

 「父の米寿の記念に、兄と僕が玩辞楼十二曲をやることの重要性はすごく大きいです」と、扇雀が締めくくった昼の部のあと、夜の部の『金門五山桐』では、鴈治郎が「山門」で五右衛門と対立する真柴久吉に。「大詰も出ますから、芝居を閉めるくらいのつもりの役としてやらせていただければ」。一方の扇雀は鷹の精。「山門」で飛んでくるあの差金の白鷹で、「その前のところで踊りを見せます。これまでの上演での演出はかなり派手です」。祭りのあとの二人の活躍もどうぞお見逃しなく。

 

 大阪松竹座「壽初春大歌舞伎」は来年1月2日(水)から26日(土)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹で販売中です。

2018年12月07日

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