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勘九郎、「平成中村座 小倉城公演」に向けて

勘九郎、「平成中村座 小倉城公演」に向けて

 11月1日(金)から北九州市 小倉城勝山公園で開催される、平成中村座「小倉城公演」に出演の中村勘九郎が、公演について語りました。

九州初上陸となる「平成中村座」

 小倉城の天守閣で行われた会見に登場した勘九郎は、「19年前に浅草で産声をあげた、父の夢である平成中村座が、九州の地に上陸する。もう楽しみでしかありません。そして一所懸命やらなければいけないなと、身が引き締まる思いでいっぱいです」と語り始めました。「九州のお客様に観ていただきたいという気持ちが、父のなかに強くあった。その思いを僕ら兄弟と、平成中村座のメンバーで果たすことができてうれしいです」と、思いを込めます。

 

  さらに、「1回目でちゃんと結果を出さなければ、後々につながっていかない。続いていくためには、最初が肝心」と気合十分。「出演者や裏方のスタッフ、この小屋を建て、この公演のために携わってくださった方々に、やってよかったなと思っていただけるような公演。それはお客様を笑顔にすること。それを心がけてやりたい」と真摯な眼差しで述べました。

 

勘九郎、「平成中村座 小倉城公演」に向けて

お客様に喜んでいただける演目を

 「九州で初めてこのメンバーで平成中村座をやるときに、どんな演目をもってきたらお客様に楽しんでいただけるかを一番に考えて」、今回の演目が決まったといいます。中村七之助が初役でお舟を、坂東彌十郎が頓兵衛を勤める、昼の部の『神霊矢口渡』については、「(七之助のお舟で)見たいと思っていた」と、期待をにじませます。

 

 続く演目は『お祭り』。その魅力を「清元と相まって、夢の世界に連れて行ってくれるような作品」と表現し、「父がこれを汗をかかずにできるようになったと言っていたのが50歳過ぎてから。それを37歳になったばかりの僕がやる。今できる、僕の『お祭り』を観ていただけたら」と意気込みます。さらに『封印切』で、中村獅童が勤める亀屋忠兵衛のライバル、丹波屋八右衛門を演じる勘九郎は、「実は最初、おえんさん(井筒屋おえん)をやりたいと言っていたんですが」と、冗談を交えて場を和ませました。

 

 夜の部は、まさに小倉の地を舞台にした『小笠原騒動』を、通し狂言として上演します。「おじの芝翫の『小笠原騒動』を観て、感動しました。(立廻りで使われる)水を浴びたくて一番前の席で見るくらい」この作品のファンだという勘九郎は、「この演目をご当地でできる」と満面の笑顔。「お家を乗っ取ろうとする犬神兵部は、その大きさと不気味さ、内に秘めた陰のパワーを見せたい。小悪党の岡田良助は、お客様の心を揺さぶる役。物語の核となる愁嘆場は、皆で相談しながらやりたいと思います」と熱く語りました。

 

勘九郎、「平成中村座 小倉城公演」に向けて

 『小笠原騒動』の舞台となった小倉城

芝居小屋を楽しんで

 平成中村座という芝居小屋について、「舞台と客席との間に壁がない。リラックスして、楽しんで観ていただける」とアピールし、「試行錯誤を重ねて今の形になっている。父の夢を、皆でつくり上げていった結晶だと思っているんです」。さらに平成中村座恒例の、勘三郎の目をかたどった模様が芝居小屋のあちこちに施されることに触れ、「それを探していただくのも、芝居小屋の一つの楽しみになるんじゃないでしょうか」と続けました。

 

 加えて、近くに設けられる、江戸の風情を味わえるさまざまな店舗についても紹介し、平成中村座の楽しみ方を伝えた勘九郎。最後に、「観に来てくださる方に、絶対に後悔させたくない。生の魅力、舞台の魅力、歌舞伎の魅力を伝えたい。楽しんでいただきたいです」と締めくくりました。

 平成中村座「小倉城公演」は、11月1日(金)~26日(火)までの公演。チケットは、9月21日(土)から発売予定です。チケットの詳細は公演情報をご確認ください。

 

勘九郎、「平成中村座 小倉城公演」に向けて

 小倉城天守閣から

2019/08/26