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南座7月「坂東玉三郎 特別舞踊公演」が開幕
7月24日(土)、南座7月「坂東玉三郎 特別舞踊公演」が初日を迎えました。
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南座で2年ぶりの、そしてふた月続けての開催となる、玉三郎による特別舞踊公演。7月と8月、それぞれ異なる趣向を凝らしながら、玉三郎が美しい舞踊の世界へ誘います。
幕開きの『口上』では、この公演のために新たにつくられた金屏風の前で、玉三郎がお客様へ向けてご挨拶を申し上げます。また、これまでに自身が実際に舞台で着用した打掛と唐織を紹介し、その繊細で豪華な美しさに、客席から感嘆の声がもれる場面も。特に『船辨慶』の前シテで使用したという唐織はご当地・京都のものだと言い、当時の思い出を語ります。令和になって初めての南座出演となる玉三郎が、今回の公演のために特別に用意した『口上』に、熱い拍手が送られました。
地唄舞2題のうち、最初に披露されるのは名作『雪』です。黒を基調とした舞台のなか、燭台の灯りに照らされ、白い衣裳を身にまとった玉三郎が振り返ると、幻想的な雪景色の情景が舞台一面に広がります。今は俗世を離れた芸妓が、恋人の訪れを待ちながら一人過ごしたかつての夜を思い出し、儚く舞う姿が、観る者の哀愁を誘います。夏の暑さをひととき忘れさせる、寂寥感にあふれた舞台となりました。
続いては、人気の歌舞伎舞踊『京鹿子娘道成寺』のエッセンスをまとめてつくられた『鐘ヶ岬』。美しく咲き誇る桜の下、道成寺の鐘を見上げて、玉三郎演じる清姫が恋の恨みをしっとりと舞い描きます。中盤では手毬唄や廓づくしの詞章などにあわせ、娘の可憐な恋心や華やかさを見せますが、やがて再び叶わぬ自らの恋に執念を抱き、鐘へ眼差しを向け幕となると、客席は大きな拍手に包まれました。最後は鳴りやまない拍手に再度幕が開き、玉三郎が笑顔で応えました。
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南座7月「坂東玉三郎 特別舞踊公演」は7月28日(水)までの公演。続く南座8月「坂東玉三郎 特別舞踊公演」は8月2日(月)から24日(火)までの公演です。チケットはどちらもチケットWeb松竹、チケットホン松竹で販売中です。