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壱太郎、隼人、『META歌舞伎 Genji Memories』に向けて

 1月25日(火)にライブ生配信される『META歌舞伎 Genji Memories』に向けて、中村壱太郎、中村隼人が作品への思いを語りました。

 この1月に誕生した「代官山メタバーススタジオ」のオープン記念作となる『META歌舞伎 Genji Memories』。人気アニメを手がけてきた制作陣を脚本・演出に迎え、バーチャル空間に再現された映像と現実の歌舞伎俳優の姿をリアルタイムで合成するバーチャルプロダクションという手法でつくられた、新しい「源氏物語」の世界をお届けします。

 

史上初の試み

 出演だけでなく、総合演出も担当する壱太郎は「歌舞伎×アニメ演出×バーチャルプロダクションという史上初の試み。スタジオのコンパクトな空間で、いかにダイナミックで美しい歌舞伎ができるかに焦点を当てています」と意気込みます。同世代の出演者、スタッフと話し合いを重ねながら、「源氏物語の世界観を伝えること」を意識して作品づくりを進めている、と充実した製作現場の様子を伝えました。

 

壱太郎、隼人、『META歌舞伎 Genji Memories』に向けて

 5役を勤める壱太郎は、「春虹」として総合演出も担当します 

 「何か挑戦していかないと歌舞伎が残っていかないという危機感があるなかで、これは一つのチャンスだと思い、参加させていただきました」と、話すのは隼人です。「歌舞伎とアニメの相性のよさは認知されつつあると思いますが、そこへバーチャルプロダクションを交えたらどうなるのか。これは歌舞伎だけでなく演劇の可能性を広げることにもなるのでは」と、期待を込めます。

 

光源氏の魅力

 光源氏の生涯が綴られた長い原作のなかから、本作で描き出すのは10代の光源氏と、彼が出会う女性たちとの物語です。今回、光源氏を初めて演じる隼人はその役柄について、「容姿も端麗で何でもできるけれども、何かが欠落した闇の部分をもっていて、それが魅力でもある。そのことが映像を通して伝わる光源氏にしたい」と、抱負を述べました。

 

 既に序章として無料公開されているオーディオドラマ内の藤壺役を含め、葵の上、六条御息所、夕顔、玉鬘(声のみ)という5役を演じるのは壱太郎。「本章では、光源氏を闇を抱えつつも無垢な、少年の心と青年の心をもつ男性として描いています。光源氏と出会うそれぞれの女性の情念が、彼を映し鏡として表されていく部分もみどころです」と語り、「源氏物語を読み返しまして、5章分の構成がもう浮かんでいます。ぜひ本作を成功させたい」と、目を輝かせます。

 

壱太郎、隼人、『META歌舞伎 Genji Memories』に向けて

 『META歌舞伎 Genji Memories』中村隼人

古典の稽古にも似ている

 視聴者に届く映像は、グリーンバックのスタジオで演技をする俳優の姿と、平安の都などをイメージした3D映像をリアルタイムで合成したもの。稽古では、俳優たちは実際は何もないスタジオで、モニターに映し出される合成映像を手がかりに、周囲の景色を想像しながら演技し、体で覚えていきます。隼人は、そこに何かがあると想像して動くことは歌舞伎の古典の稽古に似ているといい、「何もない空間で稽古することに対しての不安や難しさはそこまで感じませんでした」と、明かします。

 

 収録ではなくあえてライブ生配信を行うことについて、壱太郎は、「いろいろと映像配信をやってきましたが、生の我々の息遣いや温度感は、やはりカメラを通してでも、生で行うと一番伝わるんですよね。それも一つの魅力だと思います」と、力強く語ります。さらに、アーカイブ配信では、ライブ生配信と異なるラストシーンやメイキング映像も用意されるとのこと。どちらの配信にも、ますます期待が高まります。

 新しい挑戦となる『META歌舞伎 Genji Memories』の配信は、1月25日(火)21:30から。配信やチケットの詳細はこちらをご覧ください。最新情報は公式インスタグラムでお知らせします。

2022/01/24