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手塚治虫原作『新選組』、8月歌舞伎座で上演決定
令和4(2022)年8月歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」で、手塚治虫原作の漫画『新選組』が上演されることが発表されました。
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初めて歌舞伎としての上演
奇想天外なアイディアとファンタジー性で、読者を魅了し続けた唯一無二の漫画家、手塚治虫。生涯で700作以上の作品を創作し、漫画の表現を追求、極限までその可能性を押し広げました。その漫画は没後30年を経た今なお、世界中で愛され続けています。
このたび、初めて歌舞伎としての上演に選ばれたのは、昭和38(1963)年に集英社の月刊誌『少年ブック』で連載された『新選組』です。新選組に入隊し剣の腕を磨く少年・深草丘十郎の成長と、その親友・鎌切大作との友情を描く、独自の視点と解釈で新選組をとらえた手塚治虫版「新選組」は、隠れた名作として評価の高い作品。実在した歴史上の偉人たちと架空のキャラクターが絡み合い、創出されたドラマティックな物語は、多くのクリエイターに影響を与えてきました。
花形が活躍する「八月納涼歌舞伎」で
3年ぶりに開催される「八月納涼歌舞伎」は、花形が活躍する公演として平成2(1990)年から人気を博してきた公演。『新選組』では、父の仇を討つため、新選組に入隊する深草丘十郎を中村歌之助が、謎を秘めた丘十郎の親友・鎌切大作を中村福之助が勤めます。
歌之助は、「歌舞伎座で主役をさせていただくプレッシャーもありますが、とてもうれしいです。小さい頃から手塚治虫先生の作品に触れていましたので、丘十郎を勤めさせていただくことを光栄に思います。丘十郎と大作の成長の過程を観ていただけたらうれしいですし、現代に通じるテーマ性がありますので、若い方にもご観劇いただきたいです」と、気合十分。
福之助は「手塚治虫先生のファンの方、作品を愛していらっしゃる方がご覧になったときに、鎌切大作だ!と自然に馴染んでいただけるように演じられたら、それがベストだと思っています。まだ誰もやっていないお役に臨めることも、とても楽しみです。今、自分たちができる最高のパフォーマンスを出し切れるよう、頑張りたいと思います」と、意欲を述べました。
手塚治虫の生み出した歴史漫画がどのように歌舞伎として上演されるのか、今から期待が高まります。中村勘九郎と中村七之助の出演も決定し、いとこ同士の競演も話題の「八月納涼歌舞伎」。公演の詳細は、決まり次第、公演情報でお知らせいたしますので、どうぞ、ご注目ください。