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愛之助、壱太郎が語る、大阪松竹座「日本怪談歌舞伎」

愛之助、壱太郎が語る、「日本怪談歌舞伎」

 

 2022年10月3日(月)から大阪松竹座で始まる「日本怪談歌舞伎(Jホラーかぶき) 貞子×皿屋敷」に出演の片岡愛之助、中村壱太郎が、公演について語りました。

愛之助、壱太郎が語る「日本怪談歌舞伎」

 

ゾクッとするような怖さを

 『播州皿屋敷』をはじめとする皿屋敷伝説と、「リング」シリーズの“貞子”の物語が、時空を超えて交差する、「日本怪談歌舞伎 貞子×皿屋敷」。浅山鉄山を勤める愛之助は、「怖いだけでなく、だんまりや、立廻り、早替り、責め場などもあり、普段歌舞伎をご覧になっている皆さんにも楽しんでいただける歌舞伎味にあふれる作品です。“貞子”の何が怖いかを突き詰めると、人間の情や怨念、思いなんですよね。そういったところにも、『播州皿屋敷』と共通するところがある」と、語ります。

 

 『播州皿屋敷』では、腰元お菊がお家横領を企む浅山鉄山に陥れられ命を奪われます。お菊を勤める壱太郎は、「人を殺す場面をどう見せるかは、歌舞伎の特徴で面白さの一つ。刺してしまえば5秒ぐらいで終わることを、7、8分ほどの長い時間をかけて行う殺し場は、美しく、妖艶さも感じさせながら表現を見せる場です。今回は『播州皿屋敷』での殺され方とは違うなかで、お菊がどう死んでいったかを見せられるといいな思っています」と話します。

 

 愛之助も、「どこを切り取っても絵になっているようにとよく教えられました。刺されたら気持ちのいい顔をすると、それが苦しい顔に見えるんです。そしてそれが美しさにつながり、1枚の写真に収まると、大きくても絵になる。これがいわゆる歌舞伎の面白さであり、ほかの演劇との違いです。そういったところが怖さになってくるんじゃないかなと思います」と続けます。

 

愛之助、壱太郎が語る「日本怪談歌舞伎」

 

上方で芝居をつくる喜び

 愛之助は『GOEMON』が本作への縁を繋いだと言い、「『GOEMON』が10年も続けられたこと、壱太郎さんという役者に巡り合えたこと、僕は大変ありがたく、幸せだと思っています。舞台が阿吽の呼吸で合うというのもとてもありがたい。上方の役者として、上方からいろいろな場所をまわれることもうれしいです。今回は“日本怪談歌舞伎”の第1弾ですが、再演できるかもしれないですし、第2弾も違った題材でできるかもしれない。この作品を100年後の方も観てくださり、再演してくださったら、非常にうれしいです」と、力を込めました。

 

 壱太郎も、「上方歌舞伎の人間として、関西で何かを生み出すことができる幸せをいつも噛み締めています。これが1回目ですが、『GOEMON』のようにいつか東京でも上演できたらという思いが強くあります。関西でできた芝居だということは意識して、どこかに上方歌舞伎の空気や、雰囲気を残したいなと思っています。それは、多分愛之助お兄さんとだからこそ出るものなんだと、いつも新作で感じています」と、まっすぐに語りました。

 大阪松竹座「日本怪談歌舞伎」は、10月3日(木)から25日(火)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹で販売中です。

2022/09/20