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愛之助が語る、大阪松竹座「薫風歌舞伎特別公演」

2025年5月11日(日)から始まる大阪松竹座「薫風歌舞伎特別公演」に出演の片岡愛之助が、公演に向けての思いを語りました。
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三演目への出演
愛之助は、第一部の『今昔歌舞伎草紙』<江戸歌舞伎>、『夢窓西遊記』、第三部の『鯉つかみ』に出演します。「<江戸歌舞伎>は、個性際立つお二人と共演させていただきます(笑)。初日前に万博会場で開催される「上方伝統芸能公演」でも一部勤めさせていただく予定です」と、鴈治郎、中車との共演について笑顔で答え、「『夢窓西遊記』は台本をしっかり読み、三蔵法師をどう演じるか考えていきたいです」と、今後つくり上げていく過程への期待を込めました。
大阪松竹座では10年ぶりとなる『鯉つかみ』については、「以前勤めたときは通しで上演したのですが、今回は三部制のため、幕間を含み2時間半くらいにおさめる形になる予定です。11役の早替りをはじめ、宙乗りや本水を使用した大立廻りもあるので、力の限り精一杯勤めます」と、意気込みます。

初演からの積み重ね
『鯉つかみ』は7度目の挑戦となる愛之助。「歌舞伎を初めてご覧になる方にも、とても見やすい狂言となっています。最後には舞台に大きな水槽を用意し、本当の水を使用して大きな鯉と格闘しますので、前方のお席には水が結構かかると思います。鯉は口からも水を吹きますので、濡れ防止のビニールも配られますが、水に濡れてもいい格好で見ていただくのがよいかもしれません」と、迫力ある本水の場面について紹介します。
「初演が『永楽館歌舞伎』だったのですが、永楽館は兵庫県有形指定文化財のため、さすがに本水の使用は難しいと思っていたところ、当時の中貝市長が、“重要文化財である板を外して水槽を入れられますので、ぜひ本水を使って上演してください”と、ご調整くださったんです。本当に愛のある皆様とつくり上げた初演をきっかけに、その後もさまざまな劇場で勤めさせていただき、役も増えていきました。常に進化している作品だと思いますし、エンタテインメントの要素がたくさん詰まっているので、いかにお客様にお楽しみいただけるかということを目標にブラッシュアップしてきました」と、初演でのエピソードを交え、その軌跡を語りました。
インバウンドのお客様にも
今回、大阪・関西万博開催記念公演と銘打たれた「薫風歌舞伎特別公演」。「インバウンドのお客様も意識して、時間も内容も気軽にご覧いただける内容になっています。イヤホンガイドもぜひご使用いただけたらと思いますが、歌舞伎の静と動の美しさ、どの瞬間も絵になる美の芸術と、日舞の要素も含む歌舞伎独特の動き、また女方にも注目いただきながらお楽しみいただきたい」と、みどころを伝えます。
「例えば『隈取』の場合、赤は正義の味方、青は悪人、茶色は化物と大まかに決まっていて、実は血管の誇張なんです。国内外問わず、お客様にそういった豆知識も覚えていただけたら、歌舞伎が一気に分かりやすくなりますし、さらにお楽しみいただけると思います」と、歌舞伎をよりお楽しみいただくための秘訣も付け加えました。
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大阪松竹座「薫風歌舞伎特別公演」は5月11日(日)~25日(日)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹、チケットホン松竹で販売中です。