ニュース

「南座新開場祇園お練り」に歌舞伎俳優69人が登場

「南座新開場祇園お練り」に歌舞伎俳優69人が登場

 

 10月27日(土)、京都で「南座発祥400年 南座新開場祇園お練り」が行われ、歌舞伎俳優69人を含む約150人が、南座から四条通を練り歩きました。

 昨夜からの雨に清められ、南座前の四条通は昼ごろにはお練りの開始を待ちわびる皆さんでいっぱいとなりました。爽やかな風が心地よく、まねきとともに上げられた竹矢来の飾りをきらめかせ、祝祭ムードもますます高まります。祭礼などを除き、四条通をこれだけ大規模に全車線通行止めにするのは異例なことです。

 

京都が期待する南座、待ちわびた新開場

 五花街の舞妓さんがスタート位置に並び、準備も整ったところで、まずは西脇隆俊京都府知事が挨拶しました。「京都は歴史と伝統を守りながらも、常に新しいものをとり入れて発展を遂げてまいりました。新しい南座もそうした京都の地にふさわしいものとして、生まれ変わりました。今回、新しい南座は日本最古の劇場の価値を最大に生かしながら、古典芸能から、新たなライブエンタテインメントまで、本当に幅広い文化を発信する新しい劇場に生まれ変わりました」。

 

 南座への期待を込めた挨拶は、「京都から世界に対して日本文化を発信する拠点として、南座が末永く発展されますことを心よりお祈り申し上げます」と締めくくられ、その期待の大きさを伝えて余りあるものでした。門川大作京都市長も「顔見世興行が今からわくわくいたします」と笑顔で語り、「今日は、大勢の歌舞伎俳優の皆さんに集まっていただきました。うれしい限りです。南座の、歌舞伎の、皆さんの弥栄(いやさか)をご祈念いたします」と挨拶して盛り上げました。

 

 地元からは北村典生祇園商店街振興組合理事長が挨拶に立ち、工事期間中を振り返り、「この3年の長かったことと言ったらありません。この日が来るのを3年待ちわびておりました。祇園町全部がやっと息を吹き返すことができる。たいへんめでたい日です。皆さんと一緒に祝いたい」と述べると、商店街の方々からも大きな拍手が起こりました。

 

「南座新開場祇園お練り」に歌舞伎俳優69人が登場

 

笑顔で練り歩いた四条通

 続いて、大谷信義松竹株式会社会長が御礼を述べたあと、いよいよ歌舞伎俳優が南座の玄関から登場。時蔵、又五郎、雀右衛門を先頭に69人の歌舞伎俳優が3列に並んで、四条通に勢ぞろいしました。そして、迫本淳一松竹株式会社社長がキャノン砲のスイッチを入れて金銀テープが勢いよく飛び出したのを合図に、「南座発祥400年 南座新開場祇園お練り」が始まりました。

 

 四条通の両側の歩道いっぱいの人がいっせいに写真を撮ろうと手を伸ばし、手を振り、かけ声、歓声が絶え間ないお練りの様子は、5年前の歌舞伎座新開場記念のお練りを思い起こさせます。今回はそのときより参加俳優の数が増え、京都でこれほど大規模な歌舞伎俳優のお練りはもちろん初めてです。観光シーズンということもあり、日本だけでなく世界の方々にも南座、歌舞伎を大きくアピールすることになりました。

 

 熱い声援に俳優たちも大きく手を振り、向けられたカメラに笑顔を向けて、沿道の皆さんの期待に応えていました。八坂神社下のお練り終点までの400メートルを、30分以上かけて練り歩いた69人は、最後まで笑顔を絶やすことなく、南座が京都の地で新たな歴史の一歩を踏み出すことをしっかりと印象付けました。

 南座「當る亥歳 吉例顔見世興行」11月公演は11月1日(木)から25日(日)、12月公演は12月1日(土)から26日(水)まで。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹で11月分を販売中。12月公演は、11月5日(月)発売予定です。

 

「南座発祥400年 南座新開場祇園お練り」の模様はこちらから、動画でご覧いただけます。
「歌舞伎チャンネル」

 

「南座新開場祇園お練り」に歌舞伎俳優69人が登場

2018/10/28