歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



振袖には華やかなアレンジを

 基本の帯結びには「お太鼓系」・「文庫系」・「立て矢系」とありますが、そこにアレンジを加えた変り結びの種類は無限大です。手先やたれ先が様々なひだや羽根へと姿を変え、きもののうしろ姿に華やかな帯結びが咲き誇ります。

 そもそも江戸小紋とは、単彩で細かい文様 の染めきもののことをいいます。江戸時代には、裃や長着、羽織などに染めた細かい文様の型染めを小紋と呼んでいました。しかし、型友禅などに小紋の名称が使われたことから、昔ながらの正調の小紋の名として昭和30年、重要無形文化財保持者に小宮康助氏を指定する際に江戸小紋の名がつけられたのです。

七夕にちなんで「織姫」と名づけられた帯結び。手先を下げることで、身長が高い人でもすっきりとした印象で着こなせます。

 

下を向いていた手先を上に向け、ひだをつけてバラの花のように変化させることで、より華やかでかわいらしい印象に。

「飛躍」を原型とした帯結び。成人式やお正月にしめるように考案されたもの。腰と帯結びの位置をバランスよくまとめることが大切です。

 

両方の羽を上にあげることで、より躍動感を持たせると同時に、かわいらしい雰囲気へと変化させました。

「うずしお」を原型とした立て矢系の帯結び。ひだをつけてうずしおをイメージした華やかな帯結びです。

 

片方の羽をちょっと下げてみました。これだけでも、重心が下がり背の高い人でもバランスよく着こなすことができるようになります。

長沼静きもの学院

バックナンバー