歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



きものの手入れに必要な和装ブラシ、綿花やガーゼなどひとまとめにしておくといざと、いうときに便利です。
長沼静きもの学院では、着用と手入れの記録を残すことができる「きものパスポート」の使用を推奨しています。記録を残すことで適切な時期に適切なお手入れを施すことが可能になります。
 

 親から子へ、そして孫へと引き継ぐことのできるきもの。その美しさを長持ちさせるため、大切に扱いたいものです。お手入れや収納の基本を学ぶことで、大切にする心も自ずと身に備わってきます。

○ きものを着る前に
 敷紙を用意し、その上で着用します。暑い季節でしたら部屋を涼しく保ち、汗をかかないようにします。また、きものの脱ぎ着にはもちろん、外出の後はすぐに手を洗う習慣をつけておきましょう。小物類が傷む原因のひとつには、汗ばんだ手やほこりっぽい手で触ることが挙げられます。いつも手をきれいにと心がけるだけで、ずいぶん違うものです。

○ きものを脱いだ後に
 きものは脱いだ後すぐにハンガーにかけて風通しのよい日陰に1時間ほどさぼし、体温・湿気を取り除きます。この時、帯や小物も一緒にさぼします。さぼしている間に袖口、衿、裾、上前などの汚れを点検します。汗や湿気は変色やカビの原因となり、カビが生えるとシミ抜きをしても落ちないこともあるので、注意します。

○ 汚れを見つけたら
 きものは古い汚れほど落ちにくくなるので、脱いだ後すぐ点検し、すぐ手入れをする習慣を身につけたいものです。絹ものは水につけて簡単に洗うわけにはいきません。泥はねやインクなどの汚れはぬれた布で拭くと汚れが広がってしまうことがあります。大きな汚れや取りにくいしみは無理をせず、専門家に依頼しましょう。

○ 応急処置の方法は
 食事の際などにうっかりしみをつけてしまったら、応急処置としてハンカチをぬらして上から生地もろともつまみ上げて拭きとります。ファンデーションなど油性の汚れを落とすには、リグロインやベンジンなどの薬品をしみこませた布で上からたたいて下に敷いたタオルに汚れを移すようにします。

○ 専門家に依頼するときは
 専門家にしみ抜きを頼むときは、しみの部分に糸で印を付け、しみがついた日付や原因、どんな応急処置をしたかなどを説明できるようにしておきましょう。

長沼静きもの学院

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